パンとともにバラを

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二つの戦争で国民は殺される

 稲葉剛


5月30日、もやいの代表理事、稲葉剛さんの講演を聞きました。

 地道にホームレスの人びとを支援してきた稲葉さんの話は大変面白かったです。
講演を聞いて思ったことは、いま、日本国民は二つの戦争へ向かわされているということです。

一つはアメリカのする戦争に無条件・全面的に協力するという文字通りの戦争。
もう一つは、新自由主義・構造改革によって、人びとが殺されるという「戦争」です。

自己責任論で国民をおいつめ、人びとを死に追いやってゆく。
自殺者が3万人を超すようになってもう10年。30万人以上が死ななくてよいのに「殺されている」。
首都圏では毎日のように「人身事故」という名の飛び込み自殺が起き、よほど列車が遅れないかぎりニュースにもなりません。

 介護保険、後期高齢者医療制度も人びとの命を軽くしています。構造改革にもとづく医療制度の改悪は、病院経営を圧迫。患者のたらい回し、医師の過重勤務によって患者・医師ともに命をあやうくさせられています。

 厚生労働省は「水際作戦」によって生活保護の申請を拒否するよう福祉事務所を指導してきました。北九州市が悪名をはせていますが、全国で「餓死者」を生みだしています。

 稲葉さんは国民から批判をうけた厚労省は、水際作戦とともに「硫黄島作戦」を併用するようになっている、といいます。とりあえず申請をうけつけ、いったんは保護を開始するが、強引な「就労指導」などで辞退に追い込んでいくというものです。迎え入れて撃つ、ので「硫黄島」なんだそうです。

 若者はワーキング・プアにされ、職場で名前すら覚えてもらえない「透明な存在」にさせられています。自己肯定感がもてないのも当然です。
 さいわいにも「正規」であった中高年は、働き過ぎで死の淵にたたされています。
 お年寄りは、介護保険と後期高齢者医療制度によって「早く死ね」というメッセージをうけとります。

 稲葉さんの講演でとりわけ印象深かったのは、群馬県の無届け静養ホーム「たまゆら」の火災について、その焼け跡を見た人が「ここだけ空襲にあったようだ」といったということです。
 福祉の民営化の行きつく先が「空襲のような焼け跡」なのです。

 財界の思惑に忠実な日本政府の政策によって、人びとは死へと追い込まれている。
 自然に「そうなった」のではありません。自己責任なんてもってのほか。政策、悪政によって「つくりだされている」のです。そう「苛政(かせい)は虎よりも猛(たけ)し」。人民を苦しめるむごい政治は虎より恐ろしい。私たちは日本政府から見えない銃を撃たれているのです。

 私たちは、日本国憲法13条の個人の尊厳と生命、自由、幸福追求権、25条の健康で文化的な暮らしをする権利を高く掲げ、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上および増進につとめなければならない」という規定どおりにするよう、政府に迫らねばならないのです。

 25条は「プログラム規定」で努力目標にすぎないとする暴論が幅をきかせており、悪政を援護しています。しかし、この条文は素直に読めば「つとめなければならない」という強い義務規定です。

 日本国憲法のどこにも、アメリカのいうことはひたすら聞いて湯水のようにカネをつかえ、とか高速道路や空港をたくさんつくれとは書いていない。社会福祉(子どもと老人と障がい者を大切にする)と社会保障(医療と年金、雇用保険など)、公衆衛生(病気の予防、母子、メンタルをふくむ健康をまもるここと)にお金をつかえといっているのです。

 しかし、政府はそもそもこの分野を軽視し、1980年代の臨調行革以降、「低下および減少につとめて」きました。それに拍車をかけたのが小泉構造改革だったのです。

 自然に「そうなった」ものはなかなか対処が難しいですが、政策によって「つくりだされた」ものは、政策を変えればいいだけです。日本国憲法どおりに。

 アメリカのする戦争に協力するのも、日本政府の、命を削る悪政による「戦争」もまっぴら。

 憲法をくらしのなかに今こそいかすときです。

 

 


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ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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