パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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いま労働委委員会がおもしろい(2)

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(審問の始まる前。写っているのは速記官?かな)

●そして審問は始まった  
前置きはそのぐらいにして、審問である。

 一番バッターは、国共病組の中島書記長。
審問のなかで明らかになったのは、国共病組の組合のある病院のなかで、組合の合意なしに二交代を導入したのは記念病院だけだということ。共済組合連合会本部も「一方的に決めたらいけない」と伝えたらしいが、記念病院の管理者がいわば独走した、ということ。
 団体交渉の中で二交代導入を見送った病院もある。

二番手は、記念病院のベテラン看護師さん。
われらが平田かおり弁護士が、まず質問しました。

「職場で二交替勤務を望む声があったのか」という質問に「現場からはそういう声はまったくなかった」ときっぱり。
また、「労働時間は短くなってはいない。(一日の)就業時間が長くなって大変」
休憩時間も十分には保障されず、夜勤明けはとくにきつい。

「二交替になって真夜中の出退勤がなくなったというのはメリットなのか」という質問には、
「看護婦に夜勤があるのは当然で、それはみんな覚悟している。それよりも、夕方からの勤務はご飯の支度ができない」などむしろデメリットの方があるんだそうです。なるほど。

そして、二交替制導入にあたって説明があったか、という核心部分に。
「二交替導入を前提にした話し合いはあったが、二交替そのものを論議することはなかった」

「最後になにかあれば」という質問に対して、「いま子育てまっさかりの人たちが大変困っている。この人たちは、いまの管理職の人たちが子育て中に、勤務を融通して協力してきた。この人たちのためになんとかしたい」

石口俊一弁護士が追加の質問。
「師長は、二交替導入以前に夜勤や準夜はあったのか」
答えはノー。日勤だけだそうです。この問いは、実はつぎの伏線になっていたのです。

●二交替制のねらいと問題点 
相手側の反対尋問。T岡弁護士。
「労働時間は長くなったと言っていたが、長くなっていないでしょう」
「長くなったとは言っていません。短くなっていないと言っただけです」(「その通り」の声が傍聴席からもれる)
彼女が「(一日の)勤務時間が長くなった」といったことに対して、「週40時間が変わっていない」ということを持ち出して、混乱させようというもの。あざとい。

すかさず平田弁護士「賃金はどうなりましたか。減りましたか?」と質問すると、「はい。残業代がつかなくなりました」と答えました。労働時間は変わらないのに賃金が減る。

 そうなのです。この二交替制の最大のねらいは、残業代をケチることなのです。総額人件費削減の一手段。一日の労働時間を延長(日勤、8時~20時)し、残業代の割増分を払わなくてすまそうというもの。

人間は一日24時間を単位にして生きています。人類はずっと日の出とともに起き、日没とともに休むということを繰り返してきました(夜勤というのはだから特殊なのです)。
 「日々」の暮らしのなかに子育て、恋人と過ごす時間、夫婦の語らい、食事などがある。
固めて働いて固めて休むなんてことはできない。

 だから長時間労働は非人間的なのです。

●メインバッターの登場 S川看護部長 
さて、第三打者、本日のメインバッター(?)、S川看護部長。某国立病院で副看護部長をしていたときも相当…だったらしい(-_-;)

 最初の聞き手は、K原弁護士。彼の父親も弁護士で、第一学習社の労組つぶし(潰れてないけど)に一役買った人物。親父はあぶらギッシュな感じだが、息子さんは「湯通し」して油抜きした感じ。
 どちらかというと、いい人タイプ。

 S川看護部長とK原弁護士、お二人で、いかに職場にじゅうぶんに説明してきたかをぐだぐだと問答している。
 目と目を見つめ合う二人。公益委員が「正面を向いて証言してください」と注意するしまつ。 
盛り上がりもなく、みんなヒマそう。バサバサと豪快に資料をめくる平田弁護士。
制限時間(?)の30分がようやくすぎていく。

●「現場の声は聞いていない」
 さて、われらが石口弁護士登場。
導入の経緯について尋ねます。
「三交替の問題点として早出、遅出と書いてあるが、記念病院には早出、遅出はあったのですか」
「ありません」
「では、記念病院では二交替を導入しなければならない理由にはなりませんね」

そして、ここで改めて、「師長は夜勤はあるのか」と尋ねます。
もちろん答えは「ありません。師長は日勤だけです」。
ということは昔はともかく現時点では夜勤の実態を、身をもって知るという立場にないということを確認して、「では現場の声はどうやって聞いたのか」と追い込みます。

答えは 「聞いていません」 

あーあ、言っちゃった。
現場の声なんてまったく聞かずに、「二交替制」ありきだったんですね。
この点については公益委員からも「導入前に職場の声は聞いたのか」と再度、質問があり、「看護師長の声が現場の声、(職場の)ナマの声は聞いていない」と。

職場の声を聞いたという話がくだくだとされるが、それは二交替をどううまく回していくのか、という前提での話で、二交替そのものの是非をきくということはいっさいなかったのです。

 S川看護部長はプロジェクトチームをつくって、二交替制導入をうちだしたと言います。それは「働きやすい職場をつくる」ということが目的で、二交替制導入ありきではないと弁明します。

 そして、二交替は自分が言い出したのではなく、「プロジェクト会議の中で師長さんたちから出された」んだそうです。

●パーフェクトゲーム 
 公益委員が尋ねます。
「現場の声は聞いていなかったわけですね。当事者たちを会議にいれるつもりはなかったのですか」

「はい」

 もう、ぼろぼろです。ヒヤリングの問題点をつかれたとき、「どんな用紙でしたか」と公益委員に聞かれたら「分かりません」。そんなことがあるんですかねえ。

 最後に公益委員から、ダメだし。
 「そのつどそのつど、(検討の中身を組合に)出していたら、ここまでもめなかったと思う。検討中の中身をみせればよいのに。そういうつもりはなかったのですか」 

看護部長「………」

 もう、パーフェクト!

 このあともう一人あったのですが、つぎの用事があったので、ここまでで帰りました。
 いやあ、労働委員会ってじつに面白いですね(水野はるお風に) 

おしまい


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プロフィール

ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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