パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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賃労働と資本(7) 体験的・古典の修行

商品の価格は何によって決まるのか

今回は、第2章66頁からです。

商品の価格は3つの競争によって変動します。一つは売り手どうしの競争、二つは買い手どうしの競争、三つめは売り手と買い手の競争です。

需給曲線

売り手どうしの競争は家電量販店が分かりやすいですよね。

「A店では1万円だった」といえば「じゃあ9500円でどうでしょう」となる。商品が少ない場合は買い手どおしの競争が激しくなり価格は上昇します。この二つの競争によって売り手と買い手のせめぎ合いが起きます。

このことを表したのが上の需要・供給曲線です。

 ①売りたい人・商品(供給)が多ければ価格は下がる。
 ②売りたい人・商品(供給)が少なければ価格は上がる。
 ③欲しいと思う(需要)人が少なければ価格は下がる。
 ④欲しいと思う(需要)人が多ければ価格は上がる。

いまはちょっと事情が違う

しかし、大企業が支配する今日ではこの需給と価格の関係はそのまま通用するわけではありません。大企業と下請け企業の関係を考えてみましょう。

下請け企業が適正な単価を手にすることはまずありません。いつも親企業は「いやならよそへ頼む」と競争原理を振りかざして不当に買い叩きます。中小企業の競争相手はたくさんいます。しかし、大企業は数が少なく競争を制限しています。自動車を考えてみてください。自動車メーカーは10社ほどしかありませんトヨタ、ホンダ日産、マツダ、スバル、スズキ……。

「トヨタさん、うちの価格が気に入らないなら、これからはマツダさんに売るから」ということにはならない。

独占価格といって数社で横並びの価格設定をすることもあります。ビールは最近、値段が違ってきていますが、かつてはずっと横並びで、キリンが値上げするとよそも上げるということをやってきました。需給関係以外の力が作用しているのです。

ゴルディオンの結び目

さて、横道にそれました。『賃労働と資本』に戻りましょう。

「価格が需要・供給の関係できまるとすれば、需要・供給の関係はなにによってきまるのか?だれでもよい、そこらのブルジョアにきいてみよう。彼は、たちどころに、アレクサンドロス大王のうまれかわりでもあるかのように、この形而上学的な難問を九九の表を使って一刀両断に解決するであろう」(69頁)



何のことかさっぱり分かりませんね。ビキナーズ版の脚注に注目。解説があります。注とは若干違う話を見つけましたのでここではそれを紹介しましょう。

アレキサンドロスはギリシャ語で英語読みをするとアレキサンダー大王。

紀元前334年、アレクサンダー大王は、世界帝国を築き上げるため、東へと遠征を始めた。そして、その途中、ゴルディオンに立ち寄ります。ゴルディオン王の神殿があり、そこには荷車が納められていました。荷車は杭に固く結び付けられており、これはゴルディオン王自らが結び、「この結び目を解くことができた者が、全アジアを治める王となろう」と予言します。

多くの勇者が、この「ゴルディオンの結び目」にチャレンジしますが、誰も解くことができません。そこへ、アレクサンダー大王はやって来て解こうとしますがやはり無理。そこで大王はどうしたのか。刀ですぱっと切っちゃったんですね。(伝説ですから出典によって話は少しずつ違います)。

この故事から「ゴルディオンの結び目」(Gordian Knot )といえば難問を意味し、 「ゴルディオンの結び目を切る」(To Cut the Gordian knot.)は、難問をあっと驚くようなやり方で解くということ。ですから、マルクスが言いたかったのは、難問をいとも簡単な方法で解くということ。この箇所の「形而上学的」というのは、哲学的と同じです。あまりこだわる必要がありません。

Alexander_cuts_the_Gordian_Knot.jpg
【 「ゴルディオンの結び目を断ち切るアレクサンダー」 作:Jean-Simon Berthélemy (1743–1811)】

ブルジョアの答えは生産費

あれ、また話がそれてしまいましたね。需要と供給の関係を決定するのは何か?ブルジョアたちの答えは、生産費=コストです。生産費を上回れば儲かり、下回れば損をする。いとも簡単でしょう。

ある商品の価格が度外れにあがると、どうなるか。

「大量の資本がこの繁昌している産業部門にながれこんでくるであろう。そして、好況産業の分野への資本のこうした移動は、その産業の生産物の価格が過剰生産のために生産費以下に下落するまで、つづくであろう」(71頁)



上がると下がるんですね。逆に生産費以下になると、撤退するところが増えて、供給が減り、需給のバランスがとれて生産費の水準まで戻ります。しかし、あくまで「時代おくれになって、したがってほろびるほかないような場合」を除いての話ですが。

「資本はたえずある産業の分野から他の産業の分野へながれだし、ながれこむ。価格が高いと、過度の流入がおこり、価格が低いと、過度の流出がおこる」(72頁)。



儲かりそうな分野へは新規参入が起こり、儲からなければ潰れる、撤退するということです。

「需要と供給の変動は、商品の価格をたえずくりかえして生産費にひきもどす。なるほど、商品の現実の価格はつねにその生産費を上まわるか下まわるかであるが、上昇と下落は相殺されるので、一定期間の産業の干満を通算すれば、商品は、その生産費に応じてたがいに交換される。だから、価格はその生産費によって決定される」(73頁)。



価格は生産費を基礎としつつ変動する

スミスやリカードは、商品の価格は生産費によって決定されるということだけを法則としてとらえ、生産費の上下を無軌道に動くことを重視しませんでした。マルサスは反対に、「変動を法則とみなし、生産費による決定を偶然のもの」とみなしました(同)。

マルクスは両者を重視すべきだと次のように言います。

 「このうえなくおそろしい荒廃をともなっており、地震のようにブルジョア社会をその根底からゆりうごかすほかならぬこの変動--を通じてのみ、価格は生産費によって決定されるのである。こういう無秩序の総運動が、それの秩序なのである」(73-4頁)。



そして、「価格が生産費によって決定されるということは、価格がある商品を生産するのに必要な労働時間によって決定されるということにひとしい」といいます。それは生産費を形づくっているのは、過去と現在の労働時間、時間を尺度とする労働のかたまりにほかならないからです。商品一般についての考察はここまで。

次回は、特殊な商品である労働の価格について検討します。
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プロフィール

ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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