パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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賃労働と資本(4) 体験的・古典の修行

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古典経済学の到達点とアポリア(難点)

アダムスミスやリカードといった古典経済学は労働価値説、すなわち商品の価値はそれにどれだけの労働の量が含まれているのかによって決まるという見解にたどり着きました。基本的に正しいのですが、労働という商品について考えてみるとおかしなことになります。
 
 問) 労働という商品の価値にはどれだけの労働が含まれているのか?

 答) 1時間の労働の価値は1時間の労働に等しい

これは「イヌはイヌである」「川は川である」と言っているのと同じで何の説明にもなりません。商品の価値は労働の量で決まる。しかし、労働の価値は説明がつかない、という事態になってしまいました。だから「髪一筋でも目標に近づいたことにならない」「堂々めぐり」だとエンゲルスは言っているのです。

古典経済学は、「商品の価値は、その商品の生産に必要な労働によって決まる」ということを「ある商品の価値はその生産費に等しい」といういうふうに言い換えてみました。そして、「労働の生産費」というものは確かめることができないので、そのかわりに、労働を提供する「労働者の生産費」について調べることにしたのです。

「労働者の生産費」とはざっくりと言ってしまえば「生活費」です。国や時代、家族構成などによって違いますが、いまの日本で夫婦+子ども二人で平均は500万円~600万円ぐらいではないでしょうか。2013年の総務省家計調査によると、勤労者世帯(平均世帯人員2.76人,世帯主の平均年齢46.2歳)の実収入は,1世帯当たり1か月平均468,570円で可処分所得が380,966円、税金と社会保険料が87,604円となっています。年間で約560万円ですね。

「労働者の生産費は、彼に労働する能力をあたえ、彼の労働能力をたもつために、そして老年や病気や死のために彼が去った場合に新しい労働者でこれを補充するために、つまり、労働者階級を必要な人数だけ繁殖させるために、平均的に必要とされる生活資料の総和--からなっている」(41ページ)


ですから、本人が生きていくための費用だけではなく、労働者になるための教育・訓練費と、後継者をつくるべく家族をつくり維持していくための費用が賃金には含まれているのです。

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ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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