パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

Category: 体験的・古典の修行   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

フォイエルバッハ論(16) 体験的・古典の修行

ludwig-feuerbach-01.gif

●19世紀の科学の進展と3つの偉大な発見

 18世紀の科学、「事物を完全に出来上がったものと受け取る古い形而上学は、死んだ事物も生きた事物も完全にできあがったものとして研究する自然科学から成立した」(117ページ)。それが19世紀には、整理する科学、「自然事象を大きな全体につなげる連関の科学となっている」。連関とは「つながり」という意味です。

 ▼エネルギー保存の法則と転化の法則

 エンゲルスは3つの偉大な発見として「細胞の発見」「エネルギー転化の法則」「進化論」を挙げています。私たちにとって、細胞、エネルギー転化の法則、進化論は当たり前のことで学校でも習います。しかし、その発見は19世紀に入ってからでつい最近の出来事なのです。今日では、当たり前すぎて何が「偉大な発見」であり、画期的なのかが逆に分かりにくい。
 この3つの偉大な発見の内容について、エンゲルスが『フォイエルバッハ論』から除いた部分(全集⑳507ページ~)があります。これを手がかりにしながら、三大発見の意義について考えてみたいと思います。

 「細胞の発見」と「進化論」は、続けて説明した方が分かりやすいので、まず、「エネルギー転化の法則」からいきましょう。今まで「説明のつかぬ謎の存在であった自然における無数の作用原因(全集⑳507ページ)」は統一的に説明できるようになりました。

 「さしあたり無機的自然のうちに働いているいわゆる力の全てを--力学的力とそれを補完する力、いわゆる位置エネルギー、熱、輻射(光ないし輻射熱))」--一般的運動のさまざまに異なる現象形態として証明した」(117ページ。訳文は変えてある)。



バラバラだと考えられてきたことが「一つのエネルギーつまり運動の、特殊な形態ないしは存在の仕方であることが立証された」(⑳507ページ)

上から下へ水を落とすという位置エネルギーの変化がタービンを回して電気に変える。これが水力発電の原理です。位置エネルギーと電気エネルギーというようにエネルギーの姿は違っていてもお互いに変換可能だということ。エネルギーのあり方は変わっても、その総量は変わらない。もちろん、現実の世界では摩擦のような損失がありますが、それも含めた総量は変わらないというのです。
 

 「『変化とは何か』という問いに対する学問的答えが、物理学、自然科学の持っている知識の総体の大きな部分をなしています」

 「世の中を見ると変わるものと変わらないものがあるらしい。アリストテレスはこのような考えの上に、彼の哲学大系をきずき上げました。変わるものとは何か、変わらないものとは何かをつきとめていくのが、そのとき以来現在まで続いている哲学の一つの根本的課題です。物理学の中でこういう考え方に対応するのが物質の運動法則と保存法則の考え方です」(柳瀬睦男『科学の哲学』(5~6ページ、岩波新書)

「『物の本質とは何か』--『エネルギ-である』。「『変化とは何か--エネルギーがいろいろな状態に変わることである」。つまり、エネルギーが運動とか、熱とか、電磁気とか、またいろいろな種類の粒子になったり光になったりする」。「『変わらないものは何か』--『エネルギーである』」(同27~28ページ)



 なにか禅問答のようにも思えますが、あらゆる物体の変、不変がエネルギーの運動法則、ないしはエネルギーの保存法則として説明できるようになったのです。

Comments

10 2017 « »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

アクセスカウンター
本を買うなら
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード

Archive

RSS