パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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空想から科学へ(11) 体験的・古典の修行

●社会をどうとらえるか

経済構造が土台で、法律や政治、そして宗教や哲学など人間の頭のなかのこと、考えていることは、上部構造として土台に載っている。我が師、中易一郎(ペンネーム須賀三郎)はかつて次のように説明しました。

まず、土台(生産関係)にみあった上部構造がつくられるということだ。わてもアホやけど、あんたかてアホやで、という関係だ。ただし、主導権は土台にある。気どっていうと、土台は上部構造を規定する。上部構造は土台をうつしだして(反映)いる。だから、その時代の支配的な思想は支配者の思想だといえる。気ィつけなアキマヘンで。……さてそれじゃあ、上部構造は土台によって規定されっぱなし、作用されっぱなしなのかというと、そうじゃない。……いったんできあがった上部構造は、一応それなりに独立性をもっている。相対的に独立しているといってもよい。ここは大切なところだ。(須賀三郎『やさしい哲学』95ページ、学習の友社)


エンゲルスも「究極的には」という言葉を使っていることに注意してほしい。究極的とは、「とどのつまり」。経過はいろいろあるけれど、結局は…ってことです。けっして、経済がすべてを決めるということではないのです。

●社会主義を科学的なものへ 

マルクス以前のユートピア(空想的)社会主義は「社会制度の新しい、より完全な体系を考えだして、これを宣伝によって、できれば模範的実験の実例をつうじて〔ロバート・オーエン 二見〕」(43ページ)普及しようとしました。「彼らすべてにとって、社会主義とは、絶対的真理、理性、正義の表現なのであって、ひとたび発見さえすれば、それ自身の力で世界が征服できる」(59ページ)と考えたのです。

 マルクスの考え方はこれとまったく違います。

「社会主義の課題は、もはや、できるだけ完全な社会制度を仕上げることではなくて、これらの階級(労働者階級と資本家階級)とその対抗抗争とを必然的に発生させた歴史的な経済過程を研究し、この経過によってつくりだされた経済状態のうちにこの衝突を解決する手段を発見することであった」(77ページ)。


単に「資本主義はダメ」と否定するのではなく、資本主義社会の害悪がなぜ起こるのか、を明らかにし、その害悪を乗り越える力がどこにあるのかを示すこと。これがマルクスの社会主義がそれ以前のものと大きく異なる点なのです。
 マルクスは資本主義の害悪の根源が「不払い労働の取得」という搾取(さくしゅ)、言い換えれば「剰余価値」(じょうよかち)の生産にあることをつきとめました。

「労働者の労働力を、それが商品として商品市場でもっている価値どおりに(資本家が)買う場合にさえも、自分がそれに支払ったよりも多くの価値をこの労働力から引きだす」(78ページ)のです。

簡単に言えば「労働力の価値どおり」とは、まともな生活ができる賃金が与えられているということ。そうであっても資本家は儲かるのです。ましてや今の日本のように、ワーキングプアが広がればしこたま儲かる。

さっぱり分からない?

少しも「簡単でない」と文句が聞こえそうです。今はまだ分からなくてもいいです。そのしくみは『賃労働と資本』『賃金・価格・利潤』で解説しますのでお楽しみに。

剰余価値とは何が「余っている」のか?何の余りなのか?予想してみて下さい。

さあ、ようやく第二章の終わりです。

 「唯物史観と、剰余価値による資本主義的生産の秘密の暴露」という「二つの偉大な発見」がマルクスによってなされ、「社会主義は科学になった」とエンゲルスは言います。 「科学になる」とは、実践の「導きの糸」になるということです。けっして、証明済みということではありません。私たちが世の中をよりよくしようとするときの手助けになるということです。

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プロフィール

ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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