パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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靖国参拝はなぜ問題なのか?

(はじめに)以下は2005年『学習の友』誌に書いたものです。小泉首相を安倍首相に変えれば10年たっても事態は基本的に同じ。最小限の補訂をし、掲載します。

●改憲へとつながる靖国参拝

小泉首相の靖国参拝が国際的な問題になっています。なぜ、小泉首相は靖国参拝に執着しているのでしょうか。

それは、2007年をめどに自民党政府が憲法が変えようとしていることと深く結びついているのです。

憲法を変え、自衛軍(今回の改憲草案では国防軍)と名を変えた自衛隊がアメリカの軍隊と一体となって戦争する。戦争すれば当然、戦死者がでる。遺族や友人、知人はその死を悼み、悲しむでしょう。放っておけば、その悲しみは反戦へとつながります。靖国神社の役割は、この悲しみの感情を喜びに変えることにあるのです。

「靖国信仰は、戦場における死の悲惨さ、おぞましさを徹底的に隠蔽し、それを聖なる世界へと昇華(しょうか)すると同時に、戦死者の遺族の悲しみ、むなしさ、わりきれなさにつけこんで『名誉の戦死』という強力な意味づけを提供し、人々の感情を収奪していく」と高橋哲哉さんが『靖国問題』(ちくま新書)で指摘しているとおりです。

●「靖国の心」とは

戦前に出された『靖国の精神』(高神覚昇著・1942年)という本があります。

「およそ皇国にうけ、しかも死して護国の神としてまつられるほど、光栄なことはない」「御国のために死ぬことは、天地と共に窮(きわま)りなき皇国日本と、とこしへに生きることである。不死の生命は、御国のために捧げることによってのみ、はじめて体得せられる」(原文は旧かな旧漢字)。

お国のために死ぬことこそが最高の幸せだというのが靖国の心なのです。そういうマインドコントロールを国家規模でやって、たくさんの青年を戦争へとおもむかせました。

「僕は自衛隊員じゃないから関係ない」ですって。いいえ、そんなことはありません。ただでさえ定員に達せず慢性的な人手不足の自衛隊。正式に軍隊に格上げになり、「国防の義務」が憲法に明記されれば、徴兵制が必ずでてきます。すべての青年が靖国の「英霊」になりうるのです。

●アジア・太平洋戦争

中国や韓国、東南アジアの国々や人びとが、首相の靖国参拝に不快感を示し、抗議しているのはなぜでしょう。

1945年に終わった戦争は、一九三一年の満州(中国東北地方)への侵略から始まり、中国全土へ、そしてインドシナ、マレー半島、インドネシア、フィリピンへと拡大して行きました。そこで、何が起きたのか。日本は何をしたのか、ということを私たちはよく知る必要があります。

森武麿さんの『五〇年目の証言』(集英社)がお勧め。歴史家の森さんが、アジア各地の戦争の傷跡をを訪ね、戦争の体験の証言を集めて書いたものです(森さんの『アジア・太平洋戦争』(集英社)も読んでみてください。あの戦争の全体像が分かります)。

「サマールのカラギマン村では100人の民間人が連行され、殺されました。いまでも一か所から白骨がたくさん掘り出されます。また、オリオンのブクタン村では30人の男の首を日本兵が切り落としたが、そのなかの一人は首を切り落とされたまま、恐怖と衝撃のため胴体だけで3メートルほど走りました」(『五〇年目の証言』)
こういう非道なことをした人たちを神とあがめる靖国神社に首相が参拝する。それがどういう意味をもつか、考えてみてください。

 ※残念ながら2冊とも品切れ状態です。

●同じ失敗を繰り返すのか、未来をひらくのか

 今からちょうど20年前の1985年、ドイツのヴァイツゼッカー大統領が敗戦40周年にあたって連邦議会で演説をし、「過去に目を閉ざす者は結局のところ、現在にも盲目になる」といいました。

「九条の会」の一人、井上ひさしさんは芝居「闇に咲く花 愛敬稲荷神社物語」で主人公に次のようにいわせています。

「父さん、ついこのあいだ起こったことを忘れちゃだめだ、忘れたふりをしたらなおいけない。過去の失敗を記憶していない人間の未来は暗いよ。なぜって、同じ失敗をまた繰り返すにきまっているからね」

第二次世界大戦後、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」と決意を新たにし、日本国憲法をつくりあげました。

「同じ失敗を繰り返す」のか、歴史に学び、新しい日本とアジア関係をつくりあげるのか。私たち一人ひとりが問われています。

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ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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