パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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人生を変えた出会い 芝田先生と私(2)

●広島大学へ

研究者志望であった私は大学4年のときとその翌年と都内の大学院を2つほど受けたが合格せず、そのままアルバイト先に就職した。仕事は面白かったが、3年ほどたったころ、「このままでいいのか」という内なる声が大きくなり始めた。

その頃読んだ、渡辺治『現代日本の支配構造分析』(花伝社)に刺激され、再び研究者への道を考え始めた。自分の研究テーマを戦前の農民運動から現代の労働・社会運動へ設定し直し、さて、どこの大学院が受け入れてくれるかと考えたところ、労働運動について指導できる教官がいる大学院はそう多くはなかった。そして、芝田先生のいる広島大学を受験することにし、さいわいにも合格した。1990年春である。

●テーマ設定をめぐって

大学院芝田ゼミのゼミ生は4人で、ゼミは先生の研究室で行われた。『資本論』や『経済学・哲学草稿』などを輪読。私は研究テーマを労働・社会運動とはしていたものの、修士論文で扱う具体的な研究対象を何に据えるのかが定まっていなかった。私が当初、考えたのは地域を単位にした地域労組(コミュニティ・ユニオン)についてであった。

ゼミでの報告で、地域の重要性を指摘する際に不用意に「職場だけでなく地域を」という文言を使った。いつもにこにこしながら報告を聞いて、コメントをする芝田先生であったが、このときだけは厳しい表情をして次のように言われた。

●職場とともに地域を

「~だけでなく…を」というのは私が一番、排してきた考え、非弁証法的な考えです。「職場だけでなく地域を」というスローガンは職場闘争を軽視することになり、実践的にも誤りに陥ることになる。職場闘争をおおいに展開し、時短(労働時間の短縮)などもかちとることがなければ、どうして地域へ出ていくことができるでしょう。あなたのいわんとすることは「職場とともに地域を」というふうに言いかえなければならない。

強いショックを感じた。言葉を厳密に使うことの重要性を思い知らされた。そして、「その地域労組というのは広島にあるのですか」と芝田先生は尋ねた。いまは広島にも地域労組があるが、当時はなく、「大阪にはあるのでその事例を研究しようと思う」と返事をした。すると、「あなたはせっかく神奈川から広島に来たのだから、広島の労働運動の研究をしなさい」とすぐさま言われた。


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(芝田先生から届いた手紙。ヒロシマ紀元41年1月20日とある。西暦では1986年。ヒロシマ紀元は芝田先生が提唱した時代区分。人類の歴史は1945年の8月6日以前と以後とで区分される。ヒロシマ紀元以後、人類絶滅の危険性に直面し人びとはそれとたたかい克服するという課題を背負うようになった。)

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ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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