パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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人生を変えた出会い 芝田先生と私(1)

櫻井智志著『座標 吉野源三郎・芝田進午・鈴木正』(いりす)が刊行されました。

「座標とは、戦後民主主義とともに日本が新たにスタートして、今が昏迷した激動の時代であっても、ここに生きる私たちを取り巻く社会的構造と生きる志を客観視したものである。それを解き明かすために、私は縦軸に古在由重を、横軸に吉野源三郎、芝田進午、鈴木正を配し、私見をまとめてみた」(本書「あとがき」より)


座標―吉野源三郎・芝田進午・鈴木正座標―吉野源三郎・芝田進午・鈴木正
(2014/01)
櫻井 智志

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横軸のひとりに我が師、芝田進午がとりあげられています。偉大な哲学者であり、とても人間くさかった芝田先生。亡くなられた翌日(2001年3月15日)に書いた「人生を変えた出会い」を3回に分けて掲載します。




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(写真は芝田先生の自宅で撮影したものです。『核時代Ⅰ思想と展望』〔1987年、青木書店〕、その下にあるのが『人間性と人格の理論』〔1961年、青木書店〕) 


●芝田先生と出会わなければ

 人生を変える出会いというものがある。わが師、芝田進午との出会いはまさにそうであった。現在私は広島で大衆的学習教育運動にたずさわっているが、芝田先生と出会わなければ、広島にいることすらなかったであろう。
 師は、2001年3月14日、永眠。心から哀悼の意を表するとともに、芝田進午先生の思い出を綴ることで、師を偲びたい。

●人間性と人格の理論

 「活動家であるものはこれを読まなくてはいけない」

法政大学時代に先輩がそういって勧めてくれたのが、芝田進午著『人間性と人格の理論』(以下、『人格の理論』)であった。お金がなかったので、神田の古書店で探して買い求め、むさぼるように読んだ。そして引用されている文献について手紙を書いて質問した。

当時私は、大学のゼミで自分の考えとは違う立場の見解について、揚げ足取り的な発言ばかりしていた。ゼミの教官(江村栄一先生)がそんな私をみかねて「相手の言っている本筋のところで批判をしないと意味がない。マルクスも『法哲学批判』で『相手のもっとも強いところを批判せよ』と言っているのだから」とたしなめた。いささか反省するとともに、さっそく『ヘーゲル法哲学批判』を読んでみたが、そんな文言はなかった。それが『人格の理論』に引用されていたのだ。

「グラムシが、政治闘争と軍事闘争では敵のもっとも弱いところをつくべきであるが、理論闘争では敵のもっとも強いところをつけと主張した」(『人格の理論』p.321)。 大学の図書館にいき、合同出版のグラムシ選集をひっぱりだして該当ページをみるが、出ていない。どの全集をみればいいのかというような質問だった。

●ていねいな返事がとどく

 ほどなくして、ていねいな返事が来た。そこには、執筆当時には邦訳がなく、イタリア語原典の全集版の巻数、ページ数であること、合同出版の『グラムシ選集』では、第2巻のp.168~9ページであること、そして、東京に住んでいるので遊びにいらっしゃいとまで書いてあった(当時、私は神奈川県の自宅から大学へ通っていた)。手紙とともに、芝田先生が新聞や雑誌に書かれたもののコピーがどっさり入っていた。

名も知らぬ一学生にここまでしてくれるのかと感激した。送られたコピーも繰り返し読んだ。そして、新宿戸山の自宅にも伺わせてもらった。

それから自宅で開かれている日曜セミナーや水道橋の労音会館での社会科学研究セミナーに顔をだすようになった。

(つづく)


Comments
No title 
すばらしい書評に厚くお礼申しあげます。
なによりも二見様と芝田進午先生との心の交流がいきいきと描かれていて、胸に伝わってきます。

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プロフィール

ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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