パンとともにバラを

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海外派兵なき集団的自衛権??

 8月31日、広島弁護士会主催シンポジウム「中国脅威論と憲法改正問題」に参加した。基調講演は浅井基文さん(元広島平和研究所所長)、パネルディスカッションに浅井さん、坂元一哉さん(大阪大学大学院法学研究科教授)、水島朝穂さん(早稲田大学法学学術院教授)という豪華メンバー。

 得ることの多いシンポジウムであったが、「解釈改憲派」の見解を坂元さんから直接聞くことができたのがとりわけ収穫であった。

 坂元さんは2007年から2008年まで、日本の集団的自衛権保持の可能性について考える安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」有識者委員を務めている。彼はの立場は、「日本の平和と安全の基盤である日米同盟を維持強化していくために、日本は集団的自衛権の行使ができるようになるべきである。ただ、そのために憲法九条を改正する必要はない。その解釈の是正で十分である」というものである。

 「集団的自衛権」とは分かりにくい言葉だが、自国が攻撃されていないのに、自国が攻撃されたとみなして、同盟国とともにたたかう「権利」をいう。「自衛権」というが実質は「他衛権?」なのだ。他国を守る権利などというのはおかしいので、「集団的自衛権」なる言葉にしたのだろう。

 坂元さんは、日米同盟は、「物と人との協力」であり、「『人』を出すほう〔アメリカ〕は、自国の若者にリスクを負わせるわけですから、そのリスクを負わない相手〔日本〕をあまり尊敬せず、『物』を出すほう〔日本〕は、その不便とコストを理解しないように見える相手〔アメリカ〕の態度を、いかにも面白くなく感じがち」だという。だから、日本も人を出して、「人と人との協力」にしたらいいのだというわけだ。

 しかし、アメリカは現在でも在日米軍基地によって多大な利益を得ている。

 シンポで配付された資料、坂元さんの著書『日米同盟の難問』(PHP研究所)に、安保条約締結に携わった外務省の西村熊雄条約局長のことをが出てくる。

 「西村局長がいいますように、この条約はたしかに相互的(あるいは双務的)でございます。日米は互いにそのギブ・アンド・テイクに納得したからこの条約を結び、一九六〇年の改定をへて、半世紀以上続いているわけであります」

 西村熊雄さんの『日本外交史27サンフランシスコ平和条約』にはまったく反対のことが書かれている。

 「安全保障条約に基づいて日本に駐在する合衆国軍隊をどう規定するかは安全保障に関する日米間の交渉で終始重要な問題として取り扱われてきた。
 …(略)…先方は安全保障に関する条項のあとに駐屯軍隊の特権・免除に関する詳細な条項を付け加えた条約案を提出したのであった。わが方はこれに対し安全保障条約のように高度に政治的な条約は簡潔な文書であることが重要であって駐屯(ちゅうとん)軍の特権・免除を羅列(られつ)するがごときは政治的効果を減殺(げんさい)し策(さく)を得(え)ないのであり削除すべきであると反対し、先方がこれに同意して安全保障条約と行政協定の二本立てなった次第である」(327頁)
 
アメリカは、日本のどこにでも基地を置くことができる(第2条)。「日本国は、合衆国に対し、安全保障条約第1条に掲げる目的の遂行に必要な施設及び区域の使用を許すことに同意する」。まったく制限がない。だから、これを全土基地方式と呼んでいる。

基地返還にあたっては、原状回復する義務はなく、補償する義務もありません(第4条)。汚染物質や弾丸などまき散らし放題。

 米軍の日本国内での行動は原則自由(第9条)。ビザはもちろんパスポートもいらない。外国人登録もいらない。

 自動車免許もアメリカのものがそのまま有効(第10条)、基本的に関税免除(第11条)日本国内の税金も免除(第12条、13条)。

 米軍の施設は「日本国の規制、免許、手数料、租税その他類似の管理に服さない」(第15条)。日本の法律は適用されない。

 米兵の犯罪に対して裁判権がない(第17条)。日本の警察は逮捕することはできるが「ただちに合衆国軍隊に引き渡さなければならない」(同)。

 さらには共同作戦条項といって「日本区域において敵対行為又は敵対行為の急迫した脅威が生じた場合には、日本国政府及び合衆国政府は、日本区域の防衛のため必要な共同措置を執」(第24条)ることまで決められている。日本の防衛でなくて日本区域の防衛であることに注意。要するに、在日米軍基地が攻撃されたときに共同で対処するということなのである。

 このように、アメリカにとって都合のいいことばかりの内容。条約局長の西村熊雄さんも「こうして協定を通読すると、日本ばかりがgive and giveすることになる印象を強める」(366頁)と嘆き、特に刑事裁判権について国会と国民から非難を浴びせられた、と書いている。

 西村さんは「ギブ・アンド・テイクに納得」なんかしていない。

 アメリカは現状でも十分利益を得ている。さらに日本の青年の命も差しだせ、米兵の代わりに闘って死んでくれと言っているのだ。「若者にリスクを負わせる」というのはそういうことであろう。

坂元さんは、集団的自衛権と海外派兵の問題を分けるべきだという。

 「日米同盟の維持と発展のために、海外派兵をともなわない集団的自衛権の行使を積極的に認めるべき」と主張するが、自国が攻撃されていないのに戦争する権利が集団的自衛権なのだから、「海外派兵をともなわない」ことなどあろうはずがない。「憲法の平和主義を大切にしたい」という坂元さんの願いは集団的自衛権が合憲とされたとたん裏切られることになるだろう。


 ※坂元さんの引用はすべて『日米同盟の難問』から。




Comments
ご質問 
水島朝穂さんの「和田大学」というのは早稲田大学の間違いではないですか?
 
そうです
No title 
訂正しました。ご指摘ありがとうございました。

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ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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