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国民投票法の問題点

国民投票法が本日18日から施行になります。

以前書いてお蔵入りになった「国民投票法の問題点」について掲載します。


改憲手続き法(=国民投票法。以下、手続き法と略称)は、国会の審議を通じてさまざまな問題点が指摘され、18項目にものぼる附帯決議がつけられました。まず、手続き法そのものの問題点を述べてみます。そのうえで附帯決議についてお話しましょう。

(1)一括して○か×

憲法は実質的には99の条文があります(100~103条は補則)。憲法を変えるとすれば、条文一つずつ、変えるべきかどうか投票するのが当然です。

 当初、自民党は「新憲法草案」ということで、すべてを一括して○×で問おうとしていました。プライバシー権、環境権など「新しい人権」を盛り込み、9条改憲は自衛隊の現状を憲法上追認するだけだと国民を欺(あざ)いて、賛成あるいは、無効票にさせようとするものです。

 このやり方は批判も多く、すべてを一括するということにはなりませんでしたが、一条ごとの投票ではありません。「内容において関連する事項ごと」に区分して賛否を問おうというのです。
 「内容において関連」というのに明確な基準はありません。改憲案をつくる側が「関連している」と判断すれば、どうにでもなります。環境を守ることと日本を守ることは関連があるとか、プライバシーを守ることは日本を守ることにつながると一括される可能性もある。さらに、改憲案はすべて内容的に関連しあっていることにしてしまえば、変える条文すべてを一括するということだってできるのです。

 国民にとって好ましいもの(たとえばプライバシー権や環境権)とそうでないもの(たとえば9条2項の削除)が一体のものとして提案されれば、正しい判断を下すことはできないでしょう。そこにこそ「まとめて一括投票」の姑息さがあるのです。

(2)国民の「過半数の賛成」(憲法96条)というハードルも最低の高さでくぐろうとしている

 この一括ないしは異質なものを「関連」して提示するとどういうことになるのか。それはおそらく、投票を棄権するか、白票を投じるのか、自分の思いを具体的に書き込んで「無効票」にするのか、のいずれかです。
 実は、手続き法は、棄権、白票、無効票をあてにしているのです。それは憲法96条のいう「過半数の賛成」について、手続き法がどう考えているかをみれば分かります。

第126条「国民投票において憲法改正に対する賛成の投票の数が有効投票の数が有効投票の二分の一を超えた場合は、当該憲法改正について日本国憲法第96条第1項の国民の承諾があったものとする」

 憲法96条そのものは「国民の過半数」が具体的になにをしめすのか書かれていませんが、「有権者の過半数」と考えるのがもっとも自然です。しかし、いつも選挙はなかなか盛り上がらず、投票率も低調(争点をずらしたり、あいまいにし続けてきたことや、選挙運動を厳しく制限してきたからです)。ましてや今回の改憲案はその理由を正面から問うことができないしろもの。改憲派は、国民投票において有権者の過半数を獲得できる見込みがまったくありません。だから口が裂けても「有権者の過半数」といえない。道理がない証拠です。

過半数にはもう一つ考え方があります。それは「投票総数の過半数」です。棄権した人は、投票した人に判断をゆだねた、と考えて、投票した人の半数を超えれば可とするものです。

 しかし、手続き法は、この「投票総数の過半数」ですらない。
「有効投票」とは白票と無効票を取り除いたもの。棄権と白票、無効票が増えれば増えるほど、改憲のハードルが下がるのです。
 衆参それぞれ過去4回の投票率の平均は58.2%で、無効票の平均が4%(2007年4月現在)。有効投票率は54.2%となります。その過半数ですから有権者の27.1%を一票でも上回ればいい。1995年の参議院選挙は、投票率44.5%で、無効票が5.5%でしたから、有効投票の過半数は19.5%まで下がります。有権者の2割、3割の支持しかないのがどうして過半数なのでしょう。過半数の偽装です。

 自民党などは、原発問題、基地問題、河川の可動堰(ぜき)など、自分たちに不利な住民投票では、投票が有権者の過半数に達しない場合は開票すらしないなど厳しい条件を課し、住民投票を成立させないハードルをつくってきたのです。2006年に実施された山口県岩国市の基地増強をめぐる住民投票もそうでした。しかし、今回の手続法には、最低投票率の定めはまったくありません。

 白票・無効票は、賛成・反対が拮抗(きっこう)した場合、賛成に有利に働きます。改憲賛成が投票総数の48%だったとします。投票総数の過半数ならアウト。しかし、5%の白票・無効票があれば、分母が100から95に減ります。有効投票の50.5%で過半数をクリアし、めでたく成立。なんという悪知恵でしょう。
 白票や無効票は批判票にならず、賛成を手助けするのです。
 
(3)短い運動期間

国民投票の運動期間はきわめて短い。最短なら約2ヵ月、60日です。

第2条「国民投票は、国会が憲法改正を発議した日から起算して60日以後180日以内において、国会で議決した期日に行う」

日本の将来を50年、100年と拘束する可能性がある憲法改正です。国民が十分な判断材料を手に入れて、じっくり考え、話し合うことが必要です。しかし、冷静にじっくり論議する機会をつくって、国民の判断を仰(あお)ぐのではなく、短期間にマスコミやタレントを動員してイメージで熱狂をつくりだし国民を煽(あお)って賛成をかすめとろうという思惑なのです。

小泉元首相が、「郵政民営化こそ改革の本丸」と煽り、「刺客」などをテレビが面白おかしく報道。あたかも自民党のなかに改革派がいるかのように演出し、それが一定の成功をおさめたからでしょう。
 ここにも改憲派の姑息さがあらわれています。

(4)マスコミは原則自由だが…

だから、マスコミは規制するのではなく、活用することにしました。当初あったマスコミへの規制はなくなりました。
そのかわりに、有料広告、有料PR番組をまったく自由にしました。規制があるのは投票日から一週間だけ。それまではやりたい放題です。

 あなたはテレビにコマーシャルをだすことができますか? 全国ネットなら数十億円かかる。自民党など改憲派には財界というバックがありますので、どんどんコマーシャルや広告番組をつくるでしょう1)。
 改憲反対派はお金がありませんから、テレビや新聞に広告や広告番組をつくることはあまりできないでしょう。宣伝がまずお金で差をつけられる。

 自民党は、国民投票広報や、各地での説明会、新聞・テレビ・ラジオなどの国費による宣伝は議席数で差をつけることまで考えていました。現在、改憲反対の立場は共産党と社民党です。議席は合わせて1割ほどですので、改憲派との差は9対1。1時間なら54分対6分です。さすがにこれはやめたようですが…。
 それでも、金にものをいわせてのコマーシャル攻勢。これに、バラエティ番組やワイドショーが一見公平のようで実は不公平なヤラセ番組を流せば完璧(かんぺき)です。見事な世論誘導がつくりだされることでしょう。

(5)運動を規制する

 これだけのしかけをつくっても改憲派は安心できないようです。
 改悪反対運動を何が何でも押さえ込みたい。改憲阻止の運動の先頭に立つであろう国家公務員労働者、自治体労働者、独立行政法人職員、教員が運動できないようにしたい。そう改憲派は考えています。

 罰金、禁固刑こそ引っこめたもののの、「地位利用による」国民投票運動を禁止しています(第103条第1項、第2項)。
 教育者や公務員の改憲是非の運動抑圧に濫用(らんよう)される危険があり、公務員や教育者の自由な運動を萎縮(いしゅく)させることにねらいがあります。約500万人が対象になる。「地位利用による」かどうかは、とりあえず逮捕する側がそう判断すれば済むのです。裁判になれば長い時間がかかり、「地位利用ではなかった」という判決を手にしても国民投票は終わっています。誤認逮捕のやり得です。

 日の丸・君が代の強制も刑事罰はありませんが、処分が乱発されている。公務員の政治活動禁止規定の国民投票への適用除外もされず、さらに「必要な法制上の措置を講ずる」(附則11条)となっていて、刑事罰を伴う運動規制の危険性も依然としてあるのです。

 さらに「組織的多数人買収・利害誘導罪」(109条)というのも準備しています。労働組合や市民運動団体などが、組織的に運動し、「物品その他の財産上の利益」「公私の職務」を与えた、あるいは「直接利害関係を利用」した、国民投票運動をするものに「金銭若しくは物品」を交付した、と判断されれば罪になります。

 三年以下の懲役(ちょうえき)、禁錮(きんこ)、または50万円以下の罰金。
 「財産上の利益」に該当するのは「多数の者に対する意見の表明の手段として通常用いられないものに限る」となっていますが、拡大解釈される危険性があります。「公私の職務」や「利害関係」についてもさまざまな言いがかりで罪に陥(おとしい)れることができます。

●欠陥だらけの手続き法 18項目の附帯決議

 この5点は改憲手続法の問題点の主なものをあげたにすぎません1)。しかし、それでもこんなに多くの問題があるのです。国会の審議を通じて、改憲手続き法の不備を与党も認めざるをえませんでした。手続き法成立にあたって18項目もある附帯決議をしたのです。

日本憲法の改正手続に関する法律案に対する附帯決議

            平成19年5月11日
        参議院日本国憲法に関する調査特別委員会

一、国民投票の対象・範囲については、憲法審査会において、その意義及び必要性の有無等について十分な検討を加え、適切な措置を講じるように努めること。
一、成年年齢に関する公職選挙法、民法等の関連法令については、十分に国民の意見を反映させて検討を加えるとともに、本法施行までに必要な法制上の措置を完了するように努めること。
一、憲法改正原案の発議に当たり、内容に関する関連性の判断は、その判断基準を明らかにするとともに、外部有識者の意見も踏まえ、適切かつ慎重に行うこと。
一、国民投票の期日に関する議決について両院の議決の不一致が生じた場合の調整について必要な措置を講じること。
一、国会による発議の公示と中央選挙管理会による投票期日の告示は、同日の官報により実施できるよう努めること。
一、低投票率により憲法改正の正当性に疑義が生じないよう、憲法審査会において本法施行までに最低投票率制度の意義・是非について検討を加えること。
一、在外投票については、投票の機会が十分に保障されるよう、万全の措置を講じること。
一、国民投票広報協議会の運営に際しては、要旨の作成、賛成意見、反対意見の集約に当たり、外部有識者の知見等を活用し、客観性、正確性、中立性、公正性が確保されるように十分に留意すること。
一、国民投票公報は、発議後可能な限り早期に投票権者の元に確実に届くように配慮ずるとともに、国民の情報入手手段が多様化されている実態にかんがみ、公式サイトを設置するなど周知手段を工夫すること。
一、国民投票の結果告示においては、棄権の意思が明確に表示されるよう、白票の数も明示するものとすること。
一、公務員等及び教育者の地位利用による国民投票運動の規制については、意見表明の自由、学問の自由、教育の自由等を侵害することとならないよう特に慎重な運用を図るとともに、禁止される行為と許容される行為を明確化するなど、その基準と表現を検討すること。
一、罰則について、構成要件の明確化を図るなどの観点から検討を加え、必要な法制上の措置も含めて検討すること。
一、テレビ・ラジオの有料広告規制については、公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重するとともに、本法施行までに必要な検討を加えること。
一、罰則の適用に当たっては、公職選挙運動の規制との峻別に留意するとともに、国民の憲法改正に関する意見表明・運動等が萎縮し制約されることのないよう慎重に運用すること。
一、憲法審査会においては、いわゆる凍結期間である三年間は、憲法調査会報告書で指摘された課題等について十分な調査を行うこと。
一、憲法審査会における審査手続及び運営については、憲法改正原案の重要性にかんがみ、定足数や議決要件等を明定するとともに、その審議に当たっては、少数会派にも十分配慮すること。
一、憲法改正の重要性にかんがみ、憲法審査会においては、国民への情報提供に努め、また、国民の意見を反映するよう、公聴会の実施、請願審査の充実等に努めること。
一、合同審査会の開催に当たっては、衆参各院の独立性、自主性にかんがみ、各院の意思を十分尊重すること。
 右決議する。

 附帯決議には法的な拘束力はありません。しかし、この法案が欠陥だらけであることを与党自らが認めたということが重要です。手続き法そのものは成立しましたが、このような欠陥法案をそのままにしておいて、発動させるわけにはいきません。この18項目に基づいて法律を変えさせる。そういう世論をつくっていくことが大切です。

 一番大切にされるべき公正さがなく、改憲のためには手段を選ばない、という卑怯(ひきょう)きわまりない手続き法。もし、彼らが自分たちの改憲案に自信があれば、このように不公平で卑劣な改憲手続き法をつくらないでしょう。正々堂々とやって、国民の過半数を獲得すればいいのです。
 彼らは道義的にすでに負けているのです。
 

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ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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