パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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憲法の魂を選びとる --奥平康弘さん死去

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(2007年7月24日、東京・ホテルオークラで開催された九条の会発足記念講演会『憲法九条、今こそ旬』会場で。塩田涼撮影)




九条の会呼びかけ人の一人、憲法学者の奥平康弘さんが亡くなった。

最近(ここ2,3年)読んだなかで、印象深かったのは岩波ブックレット『いま、憲法の魂を選びとる』。九条の会の講演録で、奥平さんの講演がタイトルになっている。

非武装中立論は国際情勢の中で泡雪のごとく空虚と化したいう人(寺島実郎)がいるがそうではない。まず、45年の敗戦によって、圧倒的多くの人たちが非武装中立、非武装平和主義、非戦平和主義などさまざまな言葉で九条の魂をつかまえた。さらに、憲法改正の流れに抗して、砂川訴訟などで九条を選びとってきたのだという。

「憲法九条に関する訴訟というのは、紛う方なく、その時その時に、その状況に合わせて私たちは、ほかの何ものでもない九条を、そしてほかの何ものでもない九条のあの魂--人は理想論と言うけれども--を選びとってきた。それは55年体制以降も、そしていまに至るまでもそうなんです」(29ページ)

「ぼくたちがもっている憲法の魂を、『空虚な理想論だ』なんて言わないで、いま一度われわれは選びとろうということを、ぜひ提言したいと思います」(32ページ)

そうだ、いま一度、選びとらなければ。「集団的自衛権」という九条破壊に抗して。

いま、憲法の魂を選びとる (岩波ブックレット)いま、憲法の魂を選びとる (岩波ブックレット)
(2013/04/05)
大江 健三郎、奥平 康弘 他

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奥平康弘・東大名誉教授が死去 「九条の会」呼びかけ人
朝日新聞デジタル 1月30日(金)18時59分配信

憲法研究者で東大名誉教授の奥平康弘(おくだいら・やすひろ)さんが26日、急性心筋梗塞(こうそく)のため東京都内の自宅で死去した。85歳だった。遺族によると、葬儀は近親者で行われた。

1929年、北海道函館市生まれ。東大社会科学研究所教授などを歴任し、「『表現の自由』を求めて」(岩波書店、99年)、「憲法の想像力」(日本評論社、03年)などの著書がある。70年代はじめに、情報公開法のモデルとなった米国の情報自由法を日本で紹介。「知る権利」が基礎にあると指摘した。表現の自由はなぜ手厚く保障されなくてはならないのかという問題を追究し、理論的な基盤を築いた。

憲法研究者の立場から04年にできた「九条の会」の呼びかけ人に加わった。「憲法はつねに未完であり、世代を超えていきいきとした社会をつくるために憲法は必要なのだ」と発言し、改憲の動きに警鐘を鳴らし続けた。同会は近く「お別れの会」を開く。

  →Yahoo!ニュース
  

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フォイエルバッハ論(22) 体験的・古典の修行

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●イデオロギーがイデオロギーを生む

このように、国家そのものが実体と違った姿をしているイデオロギーなのですが、このイデオロギーがさらなるイデオロギーを生む。134ページの後から四行目、「国家は…」ではじまる段落です。政治や法律は本質的には経済的事実と繋がっているが、両者は切り離され、自立したものとして取り扱われます。

「国法および私法は、それぞれ独立した歴史的発展をもち、すべての内的矛盾を首尾一貫して除去することによってそれ自身の領域で体系的な叙述が可能であり、またそれが必要とされる領域として、取り扱われるのである」(135ページ)



国法や私法がそれ自身として歴史的に発展する過程ととらえられ、隠された経済的内容はなきものとして扱われます。

さらに、経済的事実から離れたところに、哲学や宗教といったイデオロギーがある。エンゲルスは①国家そのもの、②政治や法律、③哲学や宗教といった3つの層でイデオロギーを説明してます。ふつう私たちは③の領域だけをイデオロギーと呼んででいますがマルクスやエンゲルスの使い方は違うんですね。

ルネサンス時代の思想はヒューマニズムです。人間こそが一番大切なのだということを芸術、科学、思想などで表しました。「市民階級の産物」とありますが、ヒューマニストたちのパトロン(後援者)は誕生間もないブルジョアジーでした。

「新しく覚醒した哲学」とは啓蒙思想をさしています。ルソー、ヴォルテール、ディドロなどなど。「前世紀のイギリス人およびフランス人」とは、『諸国民の富』を書いたアダム・スミスと『経済表』を書いたフランソワ・ケネーのことでしょう。

●宗教の果たす役割

エンゲルスは「わずかながら簡単に」といっていますが、けっこうの紙数をさいて宗教について論じています。いまと違って、キリスト教が支配的な思想の中心をなしていたからです。

なぜ宗教が生まれたのか。エンゲルスは「人間たちが自己自身と周囲の外的自然について抱いた、誤った原初的観念」がその根拠だといいます(136ページ)。人はなぜ死ぬのか、夢はなぜ見るのか、日が昇り沈むのはなぜか、森へ入って帰ってこないのはなぜか、など分からないことに説明をつけるために神とか霊魂といった観念が生み出されたのです。

 「しかし、いかなるイデオロギーも、いったん存在するようになるや、与えられた観念材料と結びついて発展を遂げ、さらに観念材料を完成させていくものである。さもなければそれはイデオロギーではない。すなわちイデオロギーとは、思考を、独立に発展し、ただみずからの固有の法則にしか服することのない、自立的実体のあるものととらえ、それに関わる営みだからである」(同上)



思考を自立的実体とするというのは、存在なしに思考があるということです。第2章で扱った思考と存在の関係。魂はからだがなくても「存在」するでしょう。やる気があればどんな長時間労働だって、休みがなくったってへっちゃら。なぜなら思考が自立的実体だからです。もちろんウソですが、こういうのがイデオロギー。

●居酒屋甲子園で「ポエム」

居酒屋甲子園を知っていますか。NHKのクローズアップ現代で「あふれる“ポエム”?!~不透明な社会を覆うやさしいコトバ~」(2014年1月14日放送)で紹介されていました。

「5000人の聴衆を集めて開かれた、日本一の居酒屋を決める大会です。決勝大会の審査対象は、料理の味や、接客ではなく、居酒屋で働くことの希望や夢をうたい上げる、魂の『ポエム』」でした」(NHKホームページ)

「夢はひとりで見るもんじゃない、皆で見るもんなんだ!」「人は夢を持つから、熱く、熱く、生きられるんだ!」と語っていたのは、長時間労働かつ年収200万円台の男性です。一見前向きですが、存在はどっかへいっちゃってポエムという「思考」が突っ走っている。こういうイデオロギーできつくても頑張っちゃうんだけれども、人間は機械じゃないから、結局からだを壊し、心を病んで辞めざるを得ない。青年労働者を最大限搾取した上で使い捨てる道具が「ポエム」と称される言葉たちなのです。

イデオロギーは、人間を縛るのですがそれは無限ではありません。

「人間の物質的生活諸条件は、その人間の頭脳でこうした思考過程が生じる場合に、この過程の成り行きを最終的に規定する。だが、このことはこの人間に当然どこまでも意識されることはない。というのは、意識されることになれば、イデオロギー全体は終わりだからである」(同上)。



最終的に規定するのは物資的生活諸条件。「どのように考えているか」より「どのような状態で生きている」が決め手になります。何時間働き、休日はどれくらいあって、賃金はいかほどかが肝心です。イデオロギーは、存在(どのようにあるのか)を無視できません。そして、偽りの意識(イデオロギー)が現実と照らし合わされて、「ウソ」だと見抜かれてしまえば、イデオロギーとしての役割は果たせなくなる、とエンゲルスは言っています。

 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」 

恐ろしいと思っていたものも、正体を知ると何でもなくなるということです。

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フォイエルバッハ論(21) 体験的・古典の修行

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●私法は経済に規定されつつも独自の役割を果たす

エンゲルスは、国家と国法とともに私法も経済的諸関係によって規定されると言います。私法とは、私人間の関係を規律する法(民法と商法がそのほとんど)のこと。商取引を含む財産と身分(家族)を取り扱う法律です。そういう私法の本質は、そのときどきにおいて正常とされる経済的諸関係を追認するものにすぎません。しかし、その追認のしかたはさまざまです。

 「市民的な法規定はおよそ社会の経済的生活諸条件を法的形態において表現するものだとしても、このことは、それぞれ事情に応じて、良くも悪くも生じうるのである」(133ページ)



資本主義社会だからといって、私法のあり方は一様でない。独自のあり方をもち、私法のあり方、私法におけるたたかいが経済にも反映します。これは国家、宗教・思想も同じです。だからマルクス主義の社会分析を「基底還元主義」、すなわち経済的な土台がすべて決めるものだといって批判する人がいますが、この箇所を読んだだけでもそういう理解が誤りだということが分かります。

●国家のイデオロギー的威力

ですから、国家についてエンゲルスは「この機関は、成立するや社会に対して自立化する」(133ページ)と述べているのです。

国家は「人間に対する最初のイデオロギー的威力」だという。イデオロギーは思想という意味もありますが、ここでは「虚偽(意識)」を表しています。事実・真実と違ったかたちをとるということですね。それがイデオロギーのもともとの意味。マルクスとエンゲルスの『ドイツ・イデオロギー』も「ドイツの思想」ではなく、「ドイツの批判すべき誤った理論」という意味なのです。

まず、国家の見てくれは、その本質と違った嘘偽(うそいつわ)りの姿をしているということです。

国家は、外敵から社会(共同体)を守るための司令部としてつくられます。だから社会のためのものなのです。しかし国家機関ができあがると同時に社会から自立する。共同体の意思・利益から自由になっていくのです。全体の利益ではなく、ある特定の階級のための利益のために働く機関に変質する。社会は支配階級と被支配階級に分裂し、両者の間でたたかいが起こりますが、それは経済的利害をめぐってのたたかいであっても、政治的支配をめぐるたたかいとして展開されます。

「この政治闘争と経済的下部構造の連関に関する意識は、ますますぼやけたあものになり、まったく消失してしまうこともある」(134ページ)



これが国家のもつイデオロギー(虚偽)的性格なのです。経済的下部構造の問題が見えなく、あるいはあいまいにされていく。第7回で「今日では、政治体制が経済的なものに従属しているということはかなりはっきりしています」と書きました。しかし、誰でもすぐ分かるようにはっきりしているかというとそうではない。科学の目で見てはじめてはっきり分かるのです。

私たちは、自民党政治がアメリカと大企業の利益を第一に考え、国民の生活をないがしろにしていることを知っています。しかし、自民党に投票する多くの人たちは「色々あるかもしれないが国民のために頑張っている。頑張ってほしい」と思って投票している。暮らし(経済的下部構造)の問題と政治の繋がりがみえないからです。

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35億人≒80人 広がる格差と貧困

広島中央保健生協 憲法を学ぶ大運動 推進ニュース「憲法診断」№44

世界的な格差と貧困の広がりをとりあげました。
人口の1%が世界の富の半数を所有しており、80%の人全体で5.5%という構造です。

編集長から「1%といえば約7000万人。そんなに富裕層はいるのですか」と聞かれました。(報告書では3700万人。子どもは含まれませんので)

オックスファムの報告書では「上位1%」の資産は平均で270万ドルと指摘していますが平均ですから、当然「それ以下」の人がかなりいるはずです。どのくらいまでの資産所有者を富裕層と規定しているのか知りたいところですね。

別の調査、ワールドウエルネスレポート2014によると
資産100万ドル(1億2000円)以上の富裕層は世界全体で1370万人です。

    →PDFはこちら

憲法診断44-001

憲法診断44-002



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どすこいブラザーズ 「戦(いくさ)へ行くな」



詞 二見伸吾/曲 栗栖慎一

※行くな 殺すな 殺されるな
 行くな 行くな 戦(いくさ)へ行くな

一、朝鮮戦争があった
  ベトナム戦争があった
  ソ連がアフガンヘ攻めていった
  湾岸、イラク、またアフガン
  逃げまどう 子どもたち
  轟々と燃える 街と家
  銃を構えた 少年たち
  息をひそめた 女たち

※繰り返し

二、日清戦争があった
  日露戦争があった
  満州から中国、アジア全土へ
  奪い 殺し 焼き尽くした
  慰みものの 少女たち
  餓えて斃(たお)れた 兵士たち
  盗んで食べた 少年たち
  兵士を送った 女たち

※繰り返し

三、息もできず火だるまになった
  ガマの中で焼かれた
  倒れた人を踏みながら 逃げた
  恋人は帰ってこない
  戦争はしないと誓ったあの日
  恐怖ではなく自由を
  貧しさではなく豊かさを
  平和を生きる私たち

※2回繰り返し


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フォイエルバッハ論(20) 体験的・古典の修行

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●ブルジョアジーとプロレタリアートとの闘争

つぎに「ブルジョアジーとプロレタリアートとの闘争」です。「いまではすでに大工業が、……ブルジョア的生産秩序と衝突するに至っている」(128ページ)。

「ブルジョアジーとプロレタリアートはいずれも、経済的諸関係の変化、もっと正確にいえば生産様式の変化によって成立した」(127ページ)。衝突の原因は、労働者の頭のなか、資本家の頭のなかにあるのではなく、それぞれの存在形態のありよう、「経済的利害」の反映なのです。

 「過剰生産と大衆の貧困、これらはいずれも一方が他方の原因ともなっている。これこそ、大工業が陥る馬鹿げた矛盾」(128ページ)です。



いまの日本社会がまさにこの馬鹿げた矛盾に陥っています。大企業の内部留保が増える一方で労働者の賃金は減少しています。この矛盾を解消するためには賃上げをし、社会保障を充実することが必要です。日本経済を動かす力の6割が個人消費で、ここを温めることが日本経済全体の発展をもたらすのです。しかし、労働者、国民のたたかいがさらに大きくならない限り、この馬鹿げた矛盾から抜け出すことができません。

●生産力を生産様式の変更によって解放する

大工業が陥る馬鹿げた矛盾を根本的に克服するためには「生産諸力を生産様式の変更によって解放すること」(128ページ)が必要です。「生産様式の変更」とは資本主義的生産様式を変えるということ。「生産力を資本という性質から解放し、社会的生産力として」用いるのです(『空想から科学へ』101-2ページ)。資本としての性質を解放するとは利潤追求のための生産をやめ、人びとの共同のための生産に変えることです。

このような生産様式の変更は社会全体のあり方を根本的に変えます。それは、「各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件であるようなひとつな共同社会」であり(『共産党宣言』76ページ)「各個人の完全な自由を根本原理とする、より高い社会形態」(『資本論』新日本新書④1016ページ)です。

注意すべきは、この「生産様式の変更」は資本主義のなかで発展した以下のような要素を土台としてなしとげられるということです。

 「労働過程の協業的形態、科学の意識的な技術的応用、土地の計画的利用、共同的にのみ使用される労働手段の転化、結合された社会的な労働の生産手段としてのその使用による生産手段の節約、世界市場のなかへのすべての国民の編入」(『資本論』④1306ページ)。



変更するといっても、全面否定するのではなく、資本主義時代の成果を引き継ぎ、発展させるのです。未来社会は資本主義社会のなかに孕まれているんですね。

●経済の領域こそ決定的

「少なくとも近代史において証明されているのは、すべての政治闘争は階級闘争であり、諸階級のすべての解放闘争は、必然的に政治的な形態をとる--というのはどの階級闘争も政治的闘争だからである--にもかかわらず、最終的には経済的解放を中心におこなわれている」(129ページ)。

階級闘争は、政治的なたたかいという形をとるが、最終的には経済的な解放をめざす。経済的な解放とは、資本主義的な生産様式を改めるということです。 エンゲルスは、「国家、政治体制は従属的なものであり、市民社会という経済的諸関連の領域こそ決定的な要素なのである」(130ページ)といいます。そして、「近代史においては国家意志が全体として、市民社会における諸欲求の変動によって、いずれの階級が優位を占めるかのの状況によって、究極においては生産諸力と交換諸関係の発展によって、規定される」(同)

今日では、政治体制が経済的なものに従属しているということは、はっきりしています。なにしろ、経団連という大企業の集合体が露骨に政治へ介入しているからです。消費増税に法人減税、労働法制の改悪・解体など財界の要求がそのまま政治の舞台へあがっているでしょう。






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フォイエルバッハ論(19) 体験的・古典の修行

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●駆動的原因が明白に

資本主義が発展するまで、駆動的原因(何が歴史を動かすのか)を探り出すことはきわめて難しいことでした。しかし、「現代はこの連関をはるかに単純化したから、謎を解けることができるようになった」(126ページ)とエンゲルスはいいます。

イギリスでは、地主階級とブルジョアジーという二つの階級の支配権要求をめぐってたたかわれました。フランスでも事情は同じ。そして、1830年以降は、この両国において、第三の闘争主体として、労働者階級、プロレタリアートが認められるようになったのです。

●階級はなぜ生まれたのか

では、これらの階級はいかにして成立したのでしょうか。「一見したところでは、かつての封建的な大土地所有はなお起源を--少なくてもさしあたりは--政治的原因に、つまり暴力的な土地取得に、帰着させることができたであろう」(127ページ。傍点引用者)。エンゲルスが、大土地所有の起源を暴力的な土地取得だけにみているわけではないことが傍点部分から分かります。

しかし、大土地所有とブルジョアジーとの闘争、ブルジョアジーとプロレタリアートとの闘争は、それとは異なります。かなめは「経済的利害」であり、政治的権力はその手段だというのです。

説明が入り組んでいるので「土地所有とブルジョアジーとの闘争」からみてゆきましょう。現行の生産とは、ツンフト的特権、他の無数の人身的地方的特権のことです。 ツンフト(英語ではギルド)は、「競争者を排除し、同職者に加入を強制し、原料の入手、徒弟や道具の数、製品の販売を統制」(『角川世界史辞典』)していました。このツンフトは、労働者を一カ所に集めて分業を進める資本主義的生産のじゃまになったのです。

「人身的地方的特権」とは、領主権のことをさすと思われます。農民から地代を取り、農民の結婚、土地の移動、相続、裁判権など、領主は特権をを持っていました。これが人身的支配です。これらをあわせて、封建的社会体制とエンゲルスは呼んでいます。封建的社会体制は、「ブルジョアジーによって動かされた新しい生産諸力」とそれによって発展した交換諸条件および交換諸欲求と相いれなくなります。交換諸条件および交換諸欲求とは、自由につくって自由に売りたいという経済における「自由主義」です。イギリスにおいては1846年、穀物法の撤廃によって封建的土地所有者は敗北しました。

※『資本論』においてマルクスは、「生産者を賃労働者に転化させる歴史的運動は、一面では、農奴的隷属と同職組合(ツンフト)的強制からのの解放として現れる。……しかし、他面では、この新たに解放された人々は、彼らからすべての生産手段が奪い取られ、古い封建的諸制度によって与えられていた彼らの生存上のすべての保証を奪い取られてしまったのちに、はじめて自分自身の売り手になる」と述べています(第1巻、原書743ページ、新日本新書版④1224ページ)

以上のように、封建的社会体制は破壊されました。「イングランドでは漸進的に、フランスでは一気に。ドイツではなお片をつけていない」(128ページ)。イギリスでは「ピューリタン革命」(1640~60年)から「名誉革命」(1688年)にかけて「漸進的」に、フランスでは、18世紀末の「フランス革命」で「一気」に、ドイツでは、1848年の革命が、その課題を担ったのですが、敗北し「片がつかなかった」のです。


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イスラム国よ、安倍首相よ、世界中の人びとよ 母の声を聞け

涙がでました。届け、この母の思い。

 →後藤健二さんの母が会見「健二はイスラム国の敵ではありません」と呼びかけ・弁護士ドットコム

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イスラム国に拘束されていると見られるジャーナリスト・後藤健二さんの実母という石堂順子さんが1月23日朝、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。

石堂さんは会見の冒頭、「健二が大変ご迷惑をおかけしていることを心よりお詫びします」と述べた。そして、「健二はイスラム国の敵ではありません」と、イスラム国に向けて呼びかけた。

石堂さんは会見に先だってメッセージが記された紙を配布した。その全文は次の通り。

会見で配布されたメッセージ

私は石堂順子と申します。

ジャーナリスト後藤健二の実の母親です。

多くの外国人記者の皆さんにお集まりいただき、感謝します。

日本国民・日本政府の皆さん、諸外国の皆さんに健二が大変ご迷惑をおかけしていることに心よりお詫びします。

私はこの3日間、ただただ、悲しくて、泣いていました。表現できません。

健二は幼い頃から心の優しい子でした。

健二はいつも「戦地の子どもたちの命を救いたい」と言っていました。

中立な立場で戦争報道をしてきました。

イスラム国の皆さん、健二はイスラム国の敵ではありません。解放して下さい。

日本は戦争をしないと憲法9条に誓った国です。70年間戦争をしていません。

日本はイスラム教諸国の敵ではなく、友好関係を保ってきました。

日本は唯一の被爆国です。アメリカによる広島と長崎への原爆投下で数十万人が亡くなりました。

あと残された時間はわずかです。日本政府の皆さん、健二の命を救って下さい。

(弁護士ドットコムニュース)

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イスラム国 日本人2人殺害を警告

広島中央保健生協 憲法を学ぶ大運動 推進ニュース「憲法診断」№43

幻の43号の見出しは「安倍首相は日本をテロリストの標的にするのか」。
そして事件が起きました。昨日つくった第1稿の見出しは「二人をテロリストの標的にしたのはだれか」です。本文全体もそういうトーンで貫かれ、裏面にはテロリストの声明まで載せました。
つくったものの、自分でも今ひとつしっくりこない。


編集長に見せると、「事態もまだ分からない点も多く、もう一日待ってみましょう」と。

一日寝かせて、作り直したのがこれです。
安倍首相の発言は許せませんが、かれはいわば「共犯者」。主犯である「イスラム国」への批判を正面に据え直しました。

裏面はアムネスティの記事を転載。

 →憲法診断№43

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フォイエルバッハ論(18) 体験的・古典の修行


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古い唯物論とヘーゲルの「歴史哲学」

歴史を動かす「多数の個人」とは何か。その推進力、歴史的原因とは…。

すぐ知りたいところですが、ここ(123ページ以降)ではまず、「古い唯物論」とヘーゲルの「歴史哲学」についてエンゲルスは語ります。

まず、フォイエルバッハに代表される古い唯物論は、歴史を動かす推進力という問題提起すらしたことがない。せいぜい「観念的な推進力」=動機を探し出すだけにとどまります。

「古い唯物論は、そこに働く観念的な推進力を究極の原因とみなして、それの背後にあるもの、つまりこの推進力の推進力が何であるかを追究することはないからである」。偉人や英雄、民衆の「考え」「動機」といった「観念的な推進力」の背後にあるものにまで遡ることが「古い唯物論」にはないのです。

ヘーゲルの「歴史哲学」は、これとは違い、現実に働いている動機の背後に別の原因があることを認めます。しかし、それは、歴史的事実のなかから探し出すのではなく、彼の「歴史哲学」から輸入してくるのです。

 ※ヘーゲルは『歴史哲学講義』の序論において、「世界の歴史とは、精神が本来の自己をしだいに正確に知っていく過程を叙述するものだということができる。そして、萌芽のうちに樹木の全性質や果実の味と形がふくまれるように、精神の最初の一歩のうちに、歴史の全体が潜在的にふくまれます」「世界史とは自由の意識が前進していく過程であり、わたしたちはその過程の必然性を認識しなければなりません」と述べ、と客観的な歴史的事実の展開ではなく、抽象的な「精神」、「自由の意識」を事前におき、その展開を「歴史」にしてしまうのです。(『歴史哲学講義』岩波文庫上巻、39~40ページ)

この主題からは離れますが、ヘーゲルは別の箇所で、「みずからの活動をつうじて事業に参画してくれるような、そういう人びとの関心がよびおこされなかったら、なにごとも生じてこない、ということができる。そして、一個人が、現に自分がもち、またもちうるかもしれぬすべての関心や目的を無視して、自分に内在する意思の血潮のすべての欲望と力を集中させるとき、個人の全重量にそそぎこみ、この関心を情熱と名づけることができますが、そう名づけたとき、世の大事業は情熱なくしては成就されない、といわねばなりません」(同48ページ)と述べています。「情熱なくして世界の大事業はなしえない」。とても好きな言葉です。


●歴史の駆動力とは何か

さて、「歴史的な推進力(駆動力)」とは何か。エンゲルスはその意義を語ります。

 「この駆動力を探究することこそ、歴史を全体として個別の時代と国においても支配している諸法則をつかむことのできる唯一の道である。人間を動かすものは、すべてその頭脳を通過しなければならない。だがこの頭脳の中でどのような形姿をとるかは、おおいに諸事情に依存する」(125ページ)

これに続く文章、「労働者はいま、1948年のライン河畔にはまだあったような単純な機械打ち壊しを、もはやおこなわなくなった。だからと言って、資本主義的経営と和解したわけではけっしてない」はどういう意味でしょう。ここは、『フォイエルバッハ論』の最後の方を理解するうえで重要です。労働者は真の敵が機械ではなく、資本主義的経営、その搾取に問題があることをつかみ、それとの自覚的なたたかいをはじめたと理解すべきでしょう。 



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プロフィール

ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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