パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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矛盾に満ちた日本の核政策

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広島修道大学名誉教授の岡本三夫先生(名前をクリックすると岡本先生のホームページへいきます)から、「アメリカの核戦略見直しの足を引っ張る日本政府」について、コメントが来ました。

 許可をいただきましたので、このブログに転載します。

岡本三夫です 

 日本の核政策は矛盾に満ちています。

 たとえば、「唯一の被爆国」であることを主張しながら、米ロ英仏中という核兵器5大国に対して、核兵器廃絶をめざして立ち上がった新アジェンダ連合7カ国から呼びかけがあったのに、これを拒絶しています。

 日本政府は新アジェンダ連合のような「非現実的・急進的アプローチ」ではなく、「現実的・漸進的アプローチ」をとるというのが拒絶の理由ですが、実際は、米国の「核の傘」によって防衛されているという前提があるためであり、そのために日本国内の米軍基地に配備されている可能性のある核兵器や日本の港や空港に立ち寄る艦船・航空機の核兵器搭載の有無を不問にふしており、「非核三原則」の「持ち込ませず」とも矛盾しています。

 「北朝鮮の脅威」という国内議論を背景に日本政府は米国でも実証済みとは言い難いミサイル防衛に膨大な予算を投入しており、これも「防衛上の必要」よりも「米の強い意向」に押された「政治的判断」だと考えられます。

 さらに、米ロによる宇宙空間への核軍拡が懸念されていますが、日本政府はイージス艦にミサイル防衛システムを導入するなど、日本が現実に行っていることは、防衛能力が不確かな巨額の兵器システムを購入し、周辺諸国を刺激して新たな軍拡競争の引き金を引こうとしています。

 北朝鮮に関しても「北朝鮮に対して核不使用の確約をしないよう」日本政府自身が米に要請しています。「核の傘」どころか、「核の槍」ではないかと評される所以です。

 その他、これまで広島・長崎市が海外で展開してきた「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」に対しても、「対米配慮」から政府は冷ややかであり、支援体制はとっていませんし、数千発の核兵器が製造可能な膨大な備蓄量のプルトニウムのために、周辺諸国は日本を潜在的な核兵器国とみなしています。 

 矛盾の最たるものは 「自衛のための最低限度の戦力は憲法九条第2項に抵触するものではない」という政府答弁で明らかになったように、「この戦力は通常兵器であるか核兵器であるか」は限定していないというものです つまり 政府答弁では 自衛隊は核兵器も持てるということです

 もちろん NPT加盟の非核兵器国である日本は 核武装するためには かつての北朝鮮のようにNPTからの脱退宣言をしてからでないと核兵器は持てません それに違反すると 国際的な制裁が加えられます。 


 以上が岡本先生のコメントです。

 田母神氏らはこの矛盾を突いて、核武装論を叫んでいるのでしょう。
 
 この矛盾を核兵器廃絶の方向で解消することが日本人に求められていると思います。そういう運動がいま、一番必要だと思います。「オバマさん、いらっしゃい」のオバマ大統領だのみではダメです。
 
 そう思いませんか、秋葉市長。

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(今朝の天満川)

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新自由主義という名の「戦争」 7月29日のニュースから

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(7月30日午前5時ごろ)

また新自由主義の犠牲者が増えました。小さな命です。
何の罪もないのに生まれてすぐに殺された。
「咎(とが)なくて死す」です。かわいそうに。

<えい児遺棄>ネットカフェのトイレで死亡 東京・渋谷
7月29日23時39分配信 毎日新聞

 29日午後5時ごろ、東京都渋谷区宇田川町のビル6階のインターネットカフェで、店員が女子トイレで生後間もない男児を発見し、110番した。男児は病院に搬送されたが、約1時間後に死亡が確認された。警視庁渋谷署は、店内から病院に搬送された女性が、トイレ内で男児を出産し放置した疑いもあるとみて、保護責任者遺棄容疑で事情を聴く方針。
 同署によると、男児は裸でへその緒が付いたままだった。ネットカフェの利用客がトイレが詰まっていると店側に知らせ、点検したところ、男児が便器内に沈んでいるのが見つかった。同日午後4時ごろ、店がトイレを点検した際は異常がなかったという。【町田徳丈】



「無責任な親」、個人を問題にしているかぎり、このような事件はなくなりません。
政治の問題としてとらえる必要があります。

(1)労働法制を改めワーキング・プアをなくすこと。労基法第6条「何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」(中間搾取の禁止)の精神にもとづき、派遣労働を原則禁止にすることです。
 また、最低賃金を1000円以上に引き上げることです。

(2)社会保障予算の削減をやめ、医療の予算を増やすこと。
憲法25条の精神で社会保障を充実発展させる。
具体的には、医師削減方針を改めること。
出産にかかる費用に保険を適用すること。さらには無料にすること。

(3)児童手当を大幅に引き上げ、子育て環境をよくすること。

そうすれば、このような事件はなくなります。

「人間を食ったこともない子どもは、まだいるかしらん。子どもを救え・・・」(魯迅「狂人日記」)

この魯迅の言葉を哲学者の高橋哲哉さんが発言に引用しているページを発見。読んでみて下さい。さすが、高橋さんです(高橋さんの名前をクリック)。

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足を引っ張る日本政府。アメリカの核政策の転換の障害

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(7月28日朝)

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(7月27日)

広島平和研究所の田中利幸教授から送られてきたメールを見てびっくり。

日本政府がアメリカの核政策の転換を好ましく思っていないということは分かっていましたが、
外務省や防衛省がかなり積極的に反対の動きをしていて、オバマ構想に反対の米政府部内、国務省、国防総省、国家安全保障会議のメンバーに格好の口実を与えているというのです。

以下は、田中さんのメールについていた、平山基生さん(故・松井やよりさんの弟。弁護士の平山知子さんの夫)からのメールです。

(以下転送メール)

平山基生(沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動 運営委員長)

みなさん、日本政府は、防衛省、外務省官僚を先頭にオバマ政権の核政策の転換に、反対しているということです。この反国民的な政府の行動を是非日本国民に知らせてください。大至急。

オバマ大統領の核廃絶プラハ演説には、いろいろ猜疑心もかきたてられるのですが、あの程度の政策変更すらこのくにはなんとか妨害しようと、米政権内の反核廃絶勢力と組んで画策しているそうです。

アメリカの「憂慮する科学者同盟」が、わたしたちに警告を発するビデオを、ピースデポが作成・youtubeにアップしました。もちろん日本語字幕つき。時間はありません。転送・転載お願いします。

そして、みなさんお一人おひとりがさまざまなところに働きかけてください。
メディアにお知り合いのある方、記者さんたちに伝えてください。
よろしくお願いします。


youtubeビデオ→(この右をクリック)米核政策の「チェンジ」へ、鍵を握るのは日本>

ある方が要約しインタビューの内容は以下のとおりです。

「米国は外交政策の基本として『核態勢見直し(NPR)』に入っており、重要な局面を迎えている。米国は9月から10月に新しい核政策を決定しようとしているが、米政府部内、国務省、国防総省、国家安全保障会議のメンバー、特にアジア専門家の間に、オバマ氏の構想に反対の人たちがいる。その理由は、日本政府の『懸念』で、日本の外務省、防衛省など安保外交政策を担当する官僚が、『米政府は核政策を転換しないように』と訴えている。人類史上初めて核兵器の攻撃を受けた国の政府が核政策の転換に反対するのは皮肉であり悲劇だ。日本国民はオバマ氏の核廃絶ビジョンを支持する声を上げて欲しい」


(以上転送メール)

みなさん、防衛省や外務省の姿勢を問いただし、日本が核廃絶の足をひっぱらず、廃絶の先頭に立つよう働きかけようではありませんか。

ヒロシマとナガサキのある国がなにをなすべきなのか。

なかなか梅雨が明けませんが、「熱い」夏にしたいですね。
核廃絶の世論を盛り上げる8月に。
選挙もあるし、絶好のチャンスです。ピンチはチャンス。

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(日赤病院旧本館。ボクが広島に来たときはまだ現役だった。いまは切り取って保存されています)

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いま労働委委員会がおもしろい(2)

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(審問の始まる前。写っているのは速記官?かな)

●そして審問は始まった  
前置きはそのぐらいにして、審問である。

 一番バッターは、国共病組の中島書記長。
審問のなかで明らかになったのは、国共病組の組合のある病院のなかで、組合の合意なしに二交代を導入したのは記念病院だけだということ。共済組合連合会本部も「一方的に決めたらいけない」と伝えたらしいが、記念病院の管理者がいわば独走した、ということ。
 団体交渉の中で二交代導入を見送った病院もある。

二番手は、記念病院のベテラン看護師さん。
われらが平田かおり弁護士が、まず質問しました。

「職場で二交替勤務を望む声があったのか」という質問に「現場からはそういう声はまったくなかった」ときっぱり。
また、「労働時間は短くなってはいない。(一日の)就業時間が長くなって大変」
休憩時間も十分には保障されず、夜勤明けはとくにきつい。

「二交替になって真夜中の出退勤がなくなったというのはメリットなのか」という質問には、
「看護婦に夜勤があるのは当然で、それはみんな覚悟している。それよりも、夕方からの勤務はご飯の支度ができない」などむしろデメリットの方があるんだそうです。なるほど。

そして、二交替制導入にあたって説明があったか、という核心部分に。
「二交替導入を前提にした話し合いはあったが、二交替そのものを論議することはなかった」

「最後になにかあれば」という質問に対して、「いま子育てまっさかりの人たちが大変困っている。この人たちは、いまの管理職の人たちが子育て中に、勤務を融通して協力してきた。この人たちのためになんとかしたい」

石口俊一弁護士が追加の質問。
「師長は、二交替導入以前に夜勤や準夜はあったのか」
答えはノー。日勤だけだそうです。この問いは、実はつぎの伏線になっていたのです。

●二交替制のねらいと問題点 
相手側の反対尋問。T岡弁護士。
「労働時間は長くなったと言っていたが、長くなっていないでしょう」
「長くなったとは言っていません。短くなっていないと言っただけです」(「その通り」の声が傍聴席からもれる)
彼女が「(一日の)勤務時間が長くなった」といったことに対して、「週40時間が変わっていない」ということを持ち出して、混乱させようというもの。あざとい。

すかさず平田弁護士「賃金はどうなりましたか。減りましたか?」と質問すると、「はい。残業代がつかなくなりました」と答えました。労働時間は変わらないのに賃金が減る。

 そうなのです。この二交替制の最大のねらいは、残業代をケチることなのです。総額人件費削減の一手段。一日の労働時間を延長(日勤、8時~20時)し、残業代の割増分を払わなくてすまそうというもの。

人間は一日24時間を単位にして生きています。人類はずっと日の出とともに起き、日没とともに休むということを繰り返してきました(夜勤というのはだから特殊なのです)。
 「日々」の暮らしのなかに子育て、恋人と過ごす時間、夫婦の語らい、食事などがある。
固めて働いて固めて休むなんてことはできない。

 だから長時間労働は非人間的なのです。

●メインバッターの登場 S川看護部長 
さて、第三打者、本日のメインバッター(?)、S川看護部長。某国立病院で副看護部長をしていたときも相当…だったらしい(-_-;)

 最初の聞き手は、K原弁護士。彼の父親も弁護士で、第一学習社の労組つぶし(潰れてないけど)に一役買った人物。親父はあぶらギッシュな感じだが、息子さんは「湯通し」して油抜きした感じ。
 どちらかというと、いい人タイプ。

 S川看護部長とK原弁護士、お二人で、いかに職場にじゅうぶんに説明してきたかをぐだぐだと問答している。
 目と目を見つめ合う二人。公益委員が「正面を向いて証言してください」と注意するしまつ。 
盛り上がりもなく、みんなヒマそう。バサバサと豪快に資料をめくる平田弁護士。
制限時間(?)の30分がようやくすぎていく。

●「現場の声は聞いていない」
 さて、われらが石口弁護士登場。
導入の経緯について尋ねます。
「三交替の問題点として早出、遅出と書いてあるが、記念病院には早出、遅出はあったのですか」
「ありません」
「では、記念病院では二交替を導入しなければならない理由にはなりませんね」

そして、ここで改めて、「師長は夜勤はあるのか」と尋ねます。
もちろん答えは「ありません。師長は日勤だけです」。
ということは昔はともかく現時点では夜勤の実態を、身をもって知るという立場にないということを確認して、「では現場の声はどうやって聞いたのか」と追い込みます。

答えは 「聞いていません」 

あーあ、言っちゃった。
現場の声なんてまったく聞かずに、「二交替制」ありきだったんですね。
この点については公益委員からも「導入前に職場の声は聞いたのか」と再度、質問があり、「看護師長の声が現場の声、(職場の)ナマの声は聞いていない」と。

職場の声を聞いたという話がくだくだとされるが、それは二交替をどううまく回していくのか、という前提での話で、二交替そのものの是非をきくということはいっさいなかったのです。

 S川看護部長はプロジェクトチームをつくって、二交替制導入をうちだしたと言います。それは「働きやすい職場をつくる」ということが目的で、二交替制導入ありきではないと弁明します。

 そして、二交替は自分が言い出したのではなく、「プロジェクト会議の中で師長さんたちから出された」んだそうです。

●パーフェクトゲーム 
 公益委員が尋ねます。
「現場の声は聞いていなかったわけですね。当事者たちを会議にいれるつもりはなかったのですか」

「はい」

 もう、ぼろぼろです。ヒヤリングの問題点をつかれたとき、「どんな用紙でしたか」と公益委員に聞かれたら「分かりません」。そんなことがあるんですかねえ。

 最後に公益委員から、ダメだし。
 「そのつどそのつど、(検討の中身を組合に)出していたら、ここまでもめなかったと思う。検討中の中身をみせればよいのに。そういうつもりはなかったのですか」 

看護部長「………」

 もう、パーフェクト!

 このあともう一人あったのですが、つぎの用事があったので、ここまでで帰りました。
 いやあ、労働委員会ってじつに面白いですね(水野はるお風に) 

おしまい


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いま労働委員会がおもしろい(1)

 昨日、27日は昼から労働委員会の審問にいってきました。

 広島記念病院労組(国共病組広島記念病院支部)が当局(国家公務員共済組合連合会)を相手におこした救済申立の証人審問です。

 広島記念病院では2007年4月1日から「長時間勤務・二交替制夜勤」を労働組合との合意なしに実施。

 労働条件の一方的な不利益変更はよほどの合理性がないかぎり認められない、というのがこれまでの裁判で積み重ねられてきた判例です。さらに2007年11月、労働契約法が成立。
「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容を変更することはできない」(労働契約法第9条)のです。

また、同法10条では「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない」とあります。

労働条件を変更する場合には5つのハードルを越えないといけないのです。

①変更後の就業規則を労働者に周知させ、
②かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、
③労働条件の変更の必要性、
④変更後の就業規則の内容の相当性、
⑤労働組合等との交渉の状況
⑥その他の就業規則の変更に係る事情に照らして
   合理的なものであるとき

「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきもの」(労働基準法第2条)だからです。

 労働条件の一方的な不利益変更。これが記念病院経営側の第1の罪です。

 労働組合は、不当な労働条件変更の回復と労使関係の正常化に向けて労使交渉を重ねてきましたが、経営側は労組を敵視・無視。交渉には形式的には応じるものの、組合の要求に対して十分な説明や資料提示をしてきませんでした。
 
 日本国憲法第28条には、「勤労者の団結する権利および団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」とあります。労働者にとって団体交渉は権利であり、経営側は、労働組合と話し合う義務があるのです。
労働組合法第7条2項に「使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉することを正当な理由がなくて拒むこと」とあるとおりです。

 第2回目の審問(6月23日)で明らかになったように、経営側は正規の団体交渉を拒みつつ、非公式な事務折衝でお茶を濁し、しかも内容的にもきわめて問題がある。

 経営側は、誠実に団体交渉に応じる義務があります。
以下の場合は、不誠実団交とみなされ、不当労働行為という犯罪です。

①交渉の当初から合意達成までもっていく意思のないことを明確にした交渉態度
②拒否回答や一般論を繰り返すのみで、議題の実質的検討に入ろうとしない交渉態度
③十分な説明を行わないまま、当初の回答に固執する態度
④組合の要求・主張に対し十分に回答や説明・資料提出を行わない態度

記念病院の経営側は①~④すべて当てはまり、りっぱな不当労働行為です。
この不当労働行為が記念病院経営側の第二の罪です。

 こういう異常事態のなかで、長時間日勤・二交替制夜勤の重負担が看護師の健康を蝕む状況が続いているのです。やむなく組合は昨年7月11日、広島県労働委員会に「不当労働行為救済」の申立を起こした、ということなのです。

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誤解なく伝えるために訳語の検討を 

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(天満川土手にあるモニュメント なぜとんぼが止まっているのか)

昨日(26日)の平和行進終了後の飲み会での話。

どうしてそういう話になったのかは覚えていないが、弁証法の話になりました。

「弁証法っていう日本語は意味不明だよね。ドイツ語はDialektik 英語ならdialectic この言葉の核ににある対話、問答という意味がまったく感じられない。〝Aさんがこういう。それに対してBさんがいやいや、これはそうだよ〟そうやって、まったく新しいことが見え、認識が深まっていくのが弁証法ってことなんだけど」
そうしたら、保健師のT本さんが「なんだ、そんなことだったの。それなら私たち、症例研究でいつもやっていることじゃない。そんな簡単なことだったの」

 国語辞典を引くと「弁証 弁論によってある事柄を証明すること」とあり、やっぱり日本語の弁証には「対話」の意味はみじんもない。

 弁証法の項は「哲学で、自己自身のなかで自己と矛盾する有限なものによって自己を止揚し、より高次なものへと発展する運動・発展の論理」(いずれも大修館明鏡国語辞典)
 間違ってはいないけど、意味分かる?

 「止揚」(しよう)あるいは揚棄とも訳されるけど原語はAufheben。これも日本語は止揚が止めると揚げる、揚棄が揚げると捨てるでしょう。わけが分からないよね。

 ドイツ語のAufhebenは、「捨てる」と「取っておく」という正反対の意味があって、ヘーゲルが、よい点を残し、悪い点を捨て去るという意味で使っているのです。この言葉は、哲学者の牧野紀之さんが「克服する」という訳語を提案していて、その方が止揚や揚棄よりよっぽどいいとボクは思います。「乗りこえる」という大和言葉でもいい。

 弁証法もなんとかならないかなあ。対話の意味が伝わるような訳語。
でも「対話法」じゃあ、話のテクニックみたいだし、ソクラテスに戻れば、産婆法だけど、それもねえ。

弁証法の対である形而上学(けいじじょうがく メタフィジカの訳)に至っては絶望的!読むことすら普通の人はできない。片方は「法」でもう一つは「学」 対応しているなんて日本語ではまったく理解できません。

 「形而上学的なもののの見方」なんて言ったって、まったく関係ないと大方の人は思ってしまう。
しかし、物事を固定的に見て、「あれはよその話」とか「絶望的だあ」なんて思うのはまさに、この考え方で、みんなが普段考えていることなんだよね。しかし、形而上学といったとたんに縁遠くなってしまう。

 そうそう、10年以上も前のことだが、ある労働組合で「今日は弁証法の話をします」といったら、「PL法(製造物責任法)のことを話すんですか」と。そりゃあ、弁償のことでっせ。

 それから唯物論(ゆいぶつろん)。これもタダモノ論だからねえ。
 
1980年代に統一協会=勝共連合が、マルクス主義は、人間を肉がいくらで、骨がいくら、という風にモノとしか見ないという宣伝をしていたけど、まさに「ただモノ」論。こういうねじ曲げを可能にしているのが「唯物」=「ただモノ」という日本語。唯物論ほど心を大切にしている思想はないのに…。

 英語でmaterialism マテリアル主義 三菱マテリアルのマテリアルと一緒。 「唯」(=only)の意味はないんだよね。物質が根源だと主張しているに過ぎない。精神的なものは物質的なものから派生している。精神活動は大切だけれども、それは人間という存在から、とりわけ脳という物質の営みだといっている。きわめて常識的なことです。

 思い込みじゃなくて、事実はどうなってんの?というのを大事にしようじゃないか、というのが唯物論なんだけど。

 共産主義もcommunism(コミュニズム)の訳なんだけど、「産」という意味はない。おそらく訳した人は共有財産制というのを縮めて「共産」としたのだと思うけど。芝田進午先生は「共産」は誤訳です。「共同」と訳すべきといっていたけど、共同主義ってえのもいまひとつピンとこないなあ。

 よく言われるように、コミュニティーとかコミュニケーションと同じところからこの言葉は出てきているのだけど、そういうニュアンスは「共産」からは伝わらない。
 (誤解のないように書いておくけど、別にボクは党名を変えろといっているわけではありません。共産党にはその名前で70年以上、活動してきた歴史と実績があり、それはそれでいいと思っているのです)

 もう一つ、統一戦線 英語は、united front
United Kingdom,United States of America のユナイト。
ユナイトは結び会うでしょう。共同戦線だよね。統一というと「一つになる」というニュアンスが強くなりすぎちゃう。多様な者の共同、それがunited frontなんだけど。
歴史家、犬丸義一さんが「二見君、あれは誤訳だよ」と教えてくれました
 
 訳語、概念は一つの約束だから、やたらめったら変えればいいというものではありません。

しかし、21世紀になった今、再検討すべき時期に来ているのではないかと考えるのです。

 明治時代に意味を正確につかめない段階で訳され、それが長きにわたって使われてきました。
その訳語たちは、残念ながら、科学的社会主義の理論を学ぶ障害になっている。

 ものの見方・考え方を学ぶのに、唯物論、観念論(この訳語はまあまあ)、弁証法、形而上学と知らない言葉を4つも並べられたら、それだけであっぷあっぷ。

 中身の説明よりも言葉で躓(つまづ)いてしまう。もっとこなれた日本語、呼んで意味の分かる日本語を、と思います。

 芝田先生は、科学における発展は術語の革命をともなうと言っていたけど、訳語の革命がいると思います。いま、マルクスがあらたに注目されている今だからこそ。

 池田香代子さんはドイツ語が専門だから、いいの提案してくれませんかねえ。

 あの百人村や、「やさしい言葉で日本国憲法」のように

 もちろん、ボクも考えます。

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(今日は空と雲がとってもきれいでした)


 



 



 
  

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岡山から広島へ 雨の平和行進

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今日は7月27日。昨日の雨とうってかわって久々の晴天です。夏の陽ざしですね。ヒロシマの夏がやってきた、という感じです。梅雨はまだ明けないのでしょうか…。

 このブログに書きたいことが山ほどあるのですが、毎日楽しいことがあるので、書く時間がなかなかとれない。「つづく」と書いたまんまの記事がいくつあるだろうか(-_-;)

 埼玉・神奈川・東京ツアー(7月15日~22日)でも、山喜での李政美(いぢょんみ)さんのコンサートのこととか、座間と茅ヶ崎でした講演のこととか、いろいろあるんだけど…。

 中村先生の講演もまだ何回かあるし…。困った(*^_^*)

 今日は、記念病院で起きている不当労働行為の審問が地労委であって、このことも書きたい!

でもそのまえに、昨日のことを書いておこう。

 26日は、平和行進の東京→広島コースの引き継ぎがあって、福山に行きました。

10時48分広島発に乗るだが、このブログを更新していて、気づくと10時10分。や、やばい。
あわてて飛び出て、横川に向かう。横川に10時30分につき、自治労連、H崎さんに「間にあわんかも」とメールすると「私たちは予定通り乗車するよ」と冷たい返事(=_=) 待っててくれとはいわんが「がんばって」というエールが欲しかった。

 広島駅に到着して新幹線口まで猛ダッシュ。ホームに駆け上がると。まだ新幹線は来ていない。
2分前ぐらいだったか。しかも、天候の関係で5分遅れ。天はわれに味方する(^_^)v H崎さんとは違う!

11時20分頃、福山に到着。天気予報は雨。しかし、福山に着くと降っていない。ラッキー(とそのときは思った)。着くとまず腹ごしらえ。サービス定食1000円。
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それから在来線に乗り大門(だいもん)へ。ブラザーK栖から「早くこい!」というメール。なんか怒っている感じ…。しかし、別に時間を待ち合わせたわけではない。怒られる筋合いはない。

それでも大門駅を降りて早足で集合場所、三角公園へ向かう。5分ぐらいらしい。

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ついて間もなく、岡山の隊列がやってきた。おお、知っている顔がいるではないか。
全建労のI倉さん、生協労組のI木さん、平和委員会のT口ちゃん。

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マイクを持っているのは、通し行進者の矢部常次さん(60)。今日で82日目だそうです。
JMIU(全日本金属情報機器労働組合)の組合員だ。昔の全金(全国金属)ね。広島にはJMIUがない。マツダをはじめ、この組合の組織対象となる労働者はたくさんいるのに残念。なんとか広島にJMIUの旗がたたないものか。

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写真左 どピンクのシャツを着て、ギターを弾くブラザーK栖、うたうはうたごえサークル「ケセラセラ」
右側でギターを弾いているのは、歌う新聞記者、tukuちゃん。

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 医労連のT崎さん。証拠写真をぱちり。大学生の息子がいるようには見えん(*_*)

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左が岡山平和委員会の専従、T口ちゃん。もう長いつきあいだねえ。がんばってるねえ。
岡山学習協の運営委員(長)なんかしていたんで知り合った。竹を割ったような性格でとってもいい子(いくつになった?)なの。右の青年は…知らん。 また、岡山に呼んでね。

写真はないが、生協おかやま労組のI木さんは、迷彩色のミリタリー雨合羽。「ミリタリーやんけ」と言うと「アースカラーと呼んでくれ」だってさ。たしかに緑、茶、焦げ茶の組み合わせはアース(大地)だけれども(-_-;)

集会の時は雨はさほど降っていなかった。しかし、雨脚はどんどん強まっていく。
そして、どすこいブラザーズ(ボクとブラザーK栖)は歌いまくった。
途中でいいかげんつかれたから少し休もう、というのだが、ブラザーはすぐまたギターを弾き始める。
さすれば歌わないわけにはいかない。「歌わずにはいられない」のである。

2時間歩くと休憩。福山民商みなさんが、すいかと麦茶で出迎えてくれました。
のどがとっても渇いたので、たいへんありがたかったです。そしてすいかが美味しかった。
休憩中もブラザーはギターを弾く。そうするとボクもうたう。

休憩ののち歩き始めると、マイクがやってきた。そしてまた、うたう。雨に濡れながら…。

山ノ木竹志日本語詞「花はどこへいった」をうたっていると、ブラザーが何の前触れもなく、ハモを歌い出す。超いい加減フォークシンガーふとめ(ボク)は、おたおたして歌えない。主体性がないので、すぐつられる。「メロがハモにつられてどうするんや」とブラザー。
 うしろのH崎さんが笑う。 もっと歌い込まんとあかんなあ。

「ねがい」は、なんとか踏ん張れる。

そして4時半すぎ、福山市役所到着。解散。ほんとうは福山で飲みたかったけど、新幹線が止まっちゃったら大変なので、広島駅まで戻って飲みやした

お疲れ様でした。







 





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子どもたちに伝えたい 人権と歴史(3)

 メイン企画の2つめ。師匠、中村政則先生の講演「いつだったらあの戦争は防げたのか」です。
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冒頭、この同じ会場で7月13日に田母神俊雄氏が講演したことにふれ、歴史を学ぶことの重要性を強調。

 問題になった「日本は侵略国家だったのか」は「最優秀」に選ばれたが、審査委員長は13日に一緒に講演した渡部昇一氏であり、いわば出来レースのようなもの、と中村さん。

 ある新聞(「社会新報」2008年12月10日)で次のように感想をいいました。
 「無知は無恥に通ずるという言葉を想い出しました。……誰かが〝この論文は0点だ〟と言っていましたが、私は学生にいつも〝書き賃〟として最低5点はあげるので、私なら(100点満点で)5点というところでしょうか」


 会場から笑い声が。
 田母神氏は、WiLL増刊『田母神俊彦 全一巻』のなかの「語り下ろし 自伝」のなかで次のように書いています。
 「たくさんの本を読んできて私が思うのは、渡部昇一氏は大変な方だということです。渡部氏は歴史が専門ではありません。それなのによく勉強されていて、物事を大局的にとらえておられるから、わかりやすいし読みやすい。ですから、好んで渡部氏の本を読みました。左の本を読まず、渡部氏の本を読んできた私の判断は正しかったと思っています」(20ページ)

tamo.jpg

 出来レースだっていっているようなものです。

 さて、中村講演ですが、なぜ田母神論文が5点なのかについて。

 まず、文献の引用がデタラメで恣意的。都合のいいものだけをつないでいる。張作霖爆殺事件を「コミンテルンの仕業と書いているが、まったく根拠がない。
 張作霖爆殺の首謀者が関東軍の河本大佐であることは、関係者の証言からも明らかです。
それを覆そうというのなら、証拠をださなければなりませんが、そんなことはまったく書かれていない。


こういうのを「陰謀史観」というのだと述べ、「いま、歴史観・戦争観が問われている」と中村さん。

「90分欲しいところ45分で話さなければならない。冗談も言えない」とこぼしつつ、レジュメに入りました。

 レジュメの「はじめに」をそのまま載せます。先生もほぼそのまんま読み上げましたから。

 歴史意識とは「われわれは何処から来て、いま何処にいて、これから何処へ向かうかを知ろうとする意識である」。

 2003年6月、小泉内閣のときにテロ特措法が衆議院を通過した。海外に自衛隊を派遣した最初の内閣が小泉内閣である。防衛庁は防衛省に昇格し、自衛隊は海外の裏側にまで行けるようになった。
 
米軍再編問題で米本土にあった米陸軍第一軍団司令部を座間(厚木基地)に置き、そこへ自衛隊の司令部を集結させた。沖縄の基地拡張も進んだ(辺野古)。

グアムへの移転費用も日本政府が出す予定だ(思いやり予算)。つい最近もアフリカ沖での「海賊退治」のため、自衛隊が派遣された。自衛隊法の
〔「改正」による海外派兵〕恒久化が国会で承認され(注)、自衛隊の本来の任務が海外で活動することになった。

 こうした動きを見るにつけ、われわれはいつの間にか、「戦争のできる国」に移行しつつある。

 どうしたらいいのか、「今何処にいて、どこへ向かうかを知る」ためには、かつての15年戦争の歴史を知らなければならない。最近の田母神(元航空幕僚長)発言を読むにつけ、歴史に無知であることがいかに恐ろしいことか思わざるを得ない。また戦争ほど人権を無視し、蹂躙するものはない。


(注)2006年12月15日、防衛庁の「省」昇格関連法が成立。 防衛「省」昇格関連法案の中には、これまで自衛隊法で「付随的任務」とされてきた海外活動(国際緊急援助活動/国連平和維持活動/周辺事態法に基づく後方地域支援)などを「本来任務」に位置づけるという自衛隊法「改正」が含まれています。二見

 そして、いよいよ本日のテーマ「「いつだったらあの戦争は防げたのか」に入りました。
おっともう時間が半分ぐらいまで来ている。話は終わるのか(-_-;)

 歴史には、回帰不能点、Point of No Returnがある。15年戦争のそれはどこなのか。
転換点はいくつかあった。

①大正デモクラシー期  1922年衆議院で軍縮決議
②満州事変(1931年) 15年戦争の始まり
③日独伊三国同盟(1940年)
④日米会談の不成立(近衞・ルーズベルト会談がもたれることはなかった)

この問題を考える際に、
A 歴史における選択の問題、国民の力でだったらいつなら止められたのか、がある。歴史を主体的に考えることである。
B 中国における「回帰不能点」とアメリカに対する「回帰不能点」を分けて考えることが大切。

おっとすみません。時間が来ました。つづきはまた。 



 

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子どもたちに伝えたい 人権と歴史(2)

杉並008


この集会のメイン企画の一つめ、翻訳家の池田香代子さんと、蓮池透さん(拉致被害者家族連絡会前事務局長)の対談。

まず、今日は杉並市民代表として「聞き手に徹する」と宣言した池田さんが、この日、衆議院の解散だったことに触れ、この解散を「自民党解散」と命名。この日引退する、河野洋平衆議院議長のいわゆる河野談話を読み上げました。

「本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる」

「われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する」


池田さんが拉致問題について初めて知ったのは、1990年。大学で「民話」を教えていて、学生たちから、「あなたの出身地の〝うわさ話〟を教えて」と調べたとき。

 鹿児島などいくつかの地域で「海岸でアベックが消える」というのが出てきた。翌年、鹿児島に行ったら海岸に「不審船を見かけたら警察へ連絡を」という看板がでていて、これは単なるうわさではない、と思ったといいます。

ちょっと長め(^_-)の導入から、蓮池さんにバトンタッチ。

杉並009

冒頭、「2002年9月17日の小泉首相の訪朝をきっかけに『弱者が強者になってしまった』」と切り出した蓮池さん。「『新しい歴教科書をつくる会』で講演したこともあります」とも。会場から温かい笑い声。

 みなさんは、蓮池透さんといったらどういうイメージをもっているでしょうか。テレビの中に映っていた蓮池さんは、まさに「強者」。右翼的な立場で、高い位置からものを言っている。
 ボクも『拉致』(かもがわ出版)を読むまで、そう思っていましたし、事実そうだったと思います。
 
 しかし、蓮池さんは「変わり」ました。いまでは右翼的な人たちから「蓮池は変節した」「裏切り者」と呼ばれているのです。
 講演で肉声を聞いて驚きました。テレビで見た蓮池さんとは別人のよう。もちろん顔とあのヒゲはそのまんまですが…。とてもおだやかな話しぶりでビックリ。たぶん憑き物がとれ、もともとの蓮池さんに戻ったのでしょう。

 蓮池さんの「変わらない」点は、拉致問題を真剣に考え、解決したいという気持ちがあふれていることです。

 蓮池さんは気づいたのです。「どうもこの問題は利用されているだけ」で、拉致問題を解決する意志が政府にも右翼団体にもないことを。

 「どうやったら拉致被害者を救えるのか。一方通行ではダメで、話し合いなしに解決はない。タフなネゴシエート(交渉)が必要だが、そういうことが日本政府にはまったくない」

 弟の薫さんが戻ってきたとき、「自分の弟とは思えないほど変わってしまっていた」といいます。

「金日成バッジをつけ、再会したときもいっさい涙をながさなかった。それは泣いてしまうといままでの自分の人生を否定することになるからだっただろう。彼らは帰国したのではなく来日したのです。完全に北朝鮮の人民になってしまっていた」

日本政府の立場は「一時帰国」で、拉致被害者をまた北朝鮮へ返すつもりだった、と蓮池さん。政府の作った日程表には「おみやげの購入」というのがあったそうです。おみやげ持たせてまた北朝鮮へ。

 「ふつう、誘拐された人をみつけて、しかもそこに誘拐犯がいるという場合、躊躇することなく連れ帰るものですが、そういう認識はなかったのです」
「帰国といっても、一時的なもの過ぎない。しかも、子どもたちは帰ってこない。そういうことを、日本政府は、被害者を拉致した国と約束してきたというわけです(『拉致』26,27ページ)


蓮池さんは「弟をぜったい北朝鮮へは返さない」と思ったそうです。

「なんとかして日本人としてのアイデンティティーを取り戻し欲しかった。「おどしたり、おだてたり何でもした」「日本のパスポートを作らせ、金日成バッジはおかしいだろうといってはずさせたが、撮影が終わるとすぐまた付けた」

池田さんは、長い間孤立無援でがんばってきて、突然光があたってのだから、「弱者が強者になったという説明はよく分かる。〝つくる会〟にいってたという話も」。

 そりゃそうだよね。「支援してくれる」っていっているんだから、そこに頼るのは当然のこと。本質がみえるまで時間が必要だったのですね。

そして、池田さんは、「地村さんが帰国後一年後の手記で『(拉致は)戦後国交が正常化されていない日本との対立関係が背景にある」とお書きになったとき、大変お怒りになられていましたが…」と質問。
蓮池さんは「そんな達観したことをいうな。何もしてこなかった政府や北朝鮮に対してもっと怒れという思いだった」と言います。

 『拉致』では次のように述べています。

「許されない被害に遭っていながら、拉致した北朝鮮の責任や、取り戻すのにこんなに時間がかかった日本政府の責任を問うのではなく、過去に背景があるのだと言ったわけです。北朝鮮でそのように教えられたのかもしれませんが、悲しいことです」(60ページ)

つづけて次のように書いています。

「しかし、彼らが重く受け止めている過去の問題を、もう少し日本側がまじめに考える必要があるのではないか。そうすることができれば、彼らの憎しみの気持ちを溶かすことができるかもしれない。最近、そう感じはじめたのです」(同60-61ページ)

対談では「過去に日本がやったこと、強制連行や従軍慰安婦の問題。そして北朝鮮の拉致問題。それぞれきちんと片づけないといけない」と言いました。

「日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した」という「日朝平壌宣言」の立場、精神で「その過去とはどんなものであって、どんな悪いことをしてきて、だからどういう謝罪をするのかということ」を日本政府ははっきりというべきだ、というのです。

蓮池さんは、小泉首相が訪朝し、「日朝平壌宣言」が締結された「9.17はおそろしい一日だった」とふり返ります。

日朝両政府が 「国交正常化をおこなうために、拉致問題をこの一日で終わらせようとした」謀略の日だったというのです。「拉致問題の幕引きがねらいで「拉致問題は北朝鮮が事実を認めて誤るだけでいい、そうすれば国交正常化しようというシナリオ」で、「拉致された人の人格とか人権とか、あるいは尊厳というのは、そのシナリオのどこにもなかった」(『拉致』16ページ)のです。

 「日朝首脳会談が済むまで家族は隔離され、終わったら一家族ずつ、福田康夫官房長官に呼ばれて『5人生存、8人死亡』を伝えたのです。あまりに段取りがよすぎて政府ははじめから知っていたのではないか」と蓮池さん。

制裁を振りかざすのは簡単だが、それだけではなにも解決しない。拉致問題の解決には、きちんとロードマップ(行程表)をつくって、きちんと外交交渉すること、ネゴシエーションの方が大切。しかし、「日本政府はなんの戦略ももっていない」と蓮池さんは断言しました。

 以上が、対談のあらましで、ボクのメモに基づく再現です。だから、文責はあくまでボク個人にあります。

 あっというまの一時間。『拉致』のサインセール(?)では100冊があっという間に売り切れました。

この本をつくった畏友まったけさんも会場にいてうれしそう。6刷りだそうです。


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気になること ボクの本のねだん

imakimi.jpg

右側にアマゾンでボクの本が表示されているんだけど、ロープライスの値段がどんどん下がっている。

ついこのあいだまでは48円が一番安かったのに(-_-;)

7月24日(金)現在、29円だ。アマゾンの送料は一律340円。メール便で実際にかかる送料は80円としてそれでも300円以下だ。まあ、1円ってのもあるからまあいいっか。

 あっちこっち強引に売りつけたからなあ。

だれか早くかってね。超お得よ。新刊でサイン入りのが欲しい人はメールちょうだい(*^_^*)

ただし1300円だけど。送料はサービスよ(^_^)v

コメントで、管理人だけに表示するのところにチェックを入れれば、住所など書いても、公開されることはありません。

あるいは「サイン本買います」と書いていたければ、こちらからご返事メール出します。
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ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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