パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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労働組合 どうたたかうのか(4)

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組合役員の役割とは

「組合の役員はだれがやっても一緒」とはならない。ここに役員のやりがいの秘密があります。労働組合運動に限りませんが、運動は生き物です。役員のあり方、姿勢によって、元気にもなるし、病気にもなるのです。役員はリーダー(leader)であり、リード(lead)とは、先頭に立って「導く」「する気にさせる」という意味です。決して司令官(commander)ではありません。「あれせい、これせい」と命令する人じゃあダメ。反対に、なんでも自分でやってしまって組合員をお客さんにしてしまう傾向もありますが、これでは労働組合の力である、連帯と団結の力は発揮されません。

みんなをやる気にさせる。やる気を引き出すリーダー(役員)が求められているのです。では、みんなのやる気はどうやったら引き出せるのでしょうか。職場討議や団体交渉、ストライキなどに即して具体的なことはすでに書きました。ここでは少し総論的なことを述べましょう。

①明るく楽しい運動をつくる 

組合運動は、まじめな運動ですよね。人間らしく生き、働くことを正面にかかげて、みんなの力をあわせる。だからこそ、運動は明るく楽しくやりたい。みんなの願いをみんなの力で実現する運動が辛気くさくてはダメ。そんなの誰も寄ってきません。署名のときに、ティッシュやアメを配るのだっていい。テーマソングをつくって歌いながら署名を集めるとか。広島の給食調理員さんたちは、商店街で給食まつりを開催。試食会なんかもあって、学校給食の意義を「百聞は一見(一食?)にしかず」で伝え、商店街も大賑わい。まじめな課題を楽しくやる。これが大切です。

②原則的とは柔軟なこと

ですから、原則的なことは柔軟なことなのです。「これはこういふうにやってきた。これしかない」と杓子定規に思わずに、どうやったら広がるのか、発想を柔軟にして、あれこれ工夫してみましょう。

③たたかう知恵も力も組合員はもっている

そして、そういう楽しい工夫をする知恵は必ず組合員のなかにあります。労働組合は多種多様な人の集まりです。いろんな趣味や特技をもっています。困ったら自分でかかえこまずに「仲間(組合員)に聞け!」。「組合員が頼りない」ともし、あなたが考えているのなら、それはあなたが組合員を頼りにしていないのではないでしょうか。人間は人の役に立ちたいと思う生き物です。頼りにすれば頼りになる。もっともっと組合員に頼って、みんなの知恵と力で楽しい運動をつくりましょう。

とりあえず、終わり。(「学習の友」春闘別冊に掲載。2007年)



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労働組合 どうたたかうのか(2)

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職場で活発な論議をして要求書をつくろう

◆会議成功の3つのポイント

いい要求書とは、職場の具体的な声が反映されている要求書です。ですから、要求について職場でよく論議することが大切。十分な職場討議ができれば、要求書は八割できたも同然です。

でも、そのための会議がなかなか難しいんですね。
「会議を開いてもなかなか人が集まらない」「意見がでず、役員ばかりがしゃべっていてつまらない」
会議を成功させるためには工夫が必要です。

①よく宣伝して一人でも多くの参加を

できるだけ多くの人に参加してもらうことが成功の土台です。
会議の日程は早めに決め、チラシやニュース、掲示板などを活用して宣伝します。チラシはイラストを必ず入れて、みんなが興味をひく宣伝文句を考えましょう。職場にはきっとイラストの上手な人がいますよ。宣伝にも職場の力を活かしましょう。

②民主的な討論のために

レジュメや討議資料を用意し、何を論議するのかを明確にします。問題提起をせず、「なにか意見ありませんか」「要求はありませんか」では意見も要求も出てきません。

問題提起は短く、みんなの発言時間を多くとるようにします。司会者は全員が発言できるように配慮し、反対意見や疑問が出しやすいような雰囲気をつくるようにしましょう。

③終わったあとのフォロー

出された意見や決まったことなどをニュースにして出しましょう。できるだけ参加者のナマの声を載せ、会議の雰囲気が生き生き伝わるといいですね。欠席した人が「つぎは参加しよう」と思える楽しいニュースにしましょう。一声かけることも大切です。
 
◆要求論議を深めるための3つのポイント

①職場の実態、暮らしの実態をはっきりさせる

「自分たちのことは自分たちが一番よく分かっている」と思いこむことが盲点。職場でずっと続いているとほんとうは異常なことだったりするのに、根拠なく「よそもこんなもんだ」とか「当たり前」だと思ってしまう。

そうならないためには、家族の視点、地域の仲間の視点をふまえて職場を見直すことです。

生協ひろしま労組は毎年、「家族のこえアンケート」に取り組んでいます。

「休みが一週間に1日だけでは家族サービスもできない。子どもも父親と遊びたいが平日は、朝顔を会わすだけで一緒におフロに入ることもできない。父親との関わりが今後も大事になってくると思うので、もう少し休日を増やしてほしい」など、家族の切実な声が寄せられ、家族の視点から仕事を見直すきっかけになっています。何人かの組合員に協力してもらって家庭訪問をし、配偶者や子どもたちの声(ねがい)を聞くということもいいでしょう。

地域労連主催で「春闘交流会」などを開き、それぞれの職場の実態を出しあう。すると自分たちの職場の進んでいる点、遅れている点などが見えてきます。自分たちの職場の実態を客観的につかみ、要求を深めるために職場を超えた交流が必要なのです。ですから、役員だけでなく、一般組合員がたくさん参加するような大交流会にしたいですね。

②情勢・要求課題・労働組合の役割を学習する

要求討議を深めるために必要なのは、春闘をめぐる情勢と要求課題、労働組合運動の役割などの学習を系統的に組織することです。情勢とは「いま私たちはどうあるのか」ということ。春闘をめぐる情勢の中心は、政府・財界の攻撃と労働者の側からの反撃のせめいぎあいをとらえることです。

しばしば「情勢の厳しさ」だけが一面的に強調される傾向があります。しかし、情勢が厳しいということは、逆から見ればそれだけ、たたかいが求められているということなのです。また、職場のなかで起こっているさまざまな攻撃は、日本全体の労働者にかけられている攻撃の一部です。さらに、日本経済は、国際的な動向と密接に結びついています。ですから、日本と世界の動きをみすえ、グローバルな視点でたたかうことが求められているのです。

年金や医療など社会保障、消費税増税など税金・税制をめぐる問題、全国一律の最低賃金制…。これらの全国的な要求課題についての学習も「なくせ貧困!」の運動をすすめるために不可欠です。

この春闘別冊をつかった大中小の学習会を職場や地域で組織し、情勢に強い組合員を増やしましょう。そのことが職場討議の質を必ず高めます。

労働組合についての学習も重要です。そもそも労働組合とは何か。労働組合のもつ力と可能性。それを存分に引き出すためになにが求められているのか。08年2月に開講される勤労者通信大学・新労働組合コースの受講を広げ、『あなたとすすめる労働組合活動』(学習の友社)を執行委員会などで学習すれば、活動の質が変わり、幅が広がります。

③どうやったら連帯が広がるのかを考える

第3に、連帯をどう広げるのか。

あなたの職場には非正規雇用の人たちがいると思います。パート、アルバイト、臨時、派遣…。少なくない人が「労働組合は正規の人たちのもので自分とは関係ない」と考えている。経営者は、正規とパートを意識的に反目させようとしています。

正規労働者は、パート労働者を一段低く見て、管理しようとし、パート労働者は「実質的な仕事をしているのは私たち。正規はろくにしごともしないのに待遇がいい」と思う。こういう分断攻撃を乗りこえて、正規も非正規も団結するために何が必要なのか。さしあたり重要なのは正規労働者(労働組合)が、非正規雇用の声を聞くことです。懇談会を開いたり、個別に聞き取りをしたりという努力が求められています。

また、地域で労働者がどう働き、暮らしているのか。その実態をつかむこと。非正規雇用が全体の三分の一を占め、ワーキング・プアといわれる低賃金労働者が急増しています。劣悪な労働条件で働く労働者を放置しておけば、全体がどんどん下がっていきます。公務員の賃金と労働条件に対する攻撃が強まる背景の一つにもなっているのです。「あれは非正規の問題で自分たちには関係ない」なんてことはない。

いま、青年たちがたちあがり、青年ユニオンや地域ユニオンに結集してたたかいはじめています。
この流れがさらに強く大きくなり、労働者の連帯が広がることは、職場の労働運動を強めるためにも必要なのです。

「地球的規模で考え、身近なところでたたかう」(Think globally, Act locally)。職場から出発し、視野を全国、全世界に広げ、たたかいを職場・地域に広げる職場討議にしたいですね。
                                
(「学習の友」春闘別冊に掲載。2007年)

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労働組合 どうたたかうのか(1)

141023_1737~01

職場を基礎にし、組合員が主人公の運動を

労働組合は、みんなの要求をみんなで実現する、みんなのための組織です。ですから、一人ひとりの組合員が知恵と力を出しあうことが大切です。

 「しかし、そんなこと言ったって…」「みんな協力してくれない」そんなぼやきが聞こえてきます。

では、職場を基礎にして運動をすすめるうえで何が大切なのでしょうか。

第一に、職場の仲間を表面的にみないことです。

さまざまな不満やねがいをもっていても、労働者はそれを口にだすとは限りません。むしろ、黙っていることの方が多いでしょう。たたかって要求を実現した経験をもつ組合員もそれほど多くない。だから、「組合に言っても…」「自分でなんとかしないと」とあきらめているのではないでしょうか。

ですから、第二に大切なことは、組合員のホンネを引き出す努力と工夫です。

京都自治労連・舞鶴市職労では、「職場ギスギスアンケート」を実施。職場で爆発的な話題になりました(「学習の友」07年1月号ならびに『あなたとすすめる労働組合活動』学習の友社、参照)

これがただの「職場アンケート」だったら、それほど話題にはならなかったのではないでしょうか。アンケートを集約し、結果をニュースなどで知らせると、また反響をよびました。「みんなが思っていても口に出せなかった問題が活字になった。画期的なこと」「労働組合が、私たち職員一人ひとり(正規も臨時も)を大切に考え、本当のことを知って改善しようとしている(ことが分かった)」という声が寄せられました。 一人のつぶやきがみんなの問題として共有されたのです。

第三に、一人ひとりの個性を大切にしながら、楽しい企画をみんなで考え出すことです。

一人一文字、タタミ二畳ぐらいの大きさの看板をつくり、早朝の通勤時間帯に線路近くの河原にたつ。大阪の「規制緩和・行革民営化反対労組連絡会」が1998年に取り組み、お昼のテレビニュースでとりあげられました。いまなら、「な」「く」「せ」「貧」「困」「ス」「ト」「ッ」「プ」「改」「憲」でしょうか。

千葉県中央メーデーでは、千葉市中央地区商店街で29の協力店をつのり、メーデーパンフを持っていくと割引などのサービスが受けられるように。広島県中央メーデーは、メーデーの終着点をヒロシマ労連事務所のあるタカノ橋商店街にして、「お買い物券」を発行。「労働組合が商店街のことまで考えてくれるのか」と喜ばれています。

楽しく、みんなが参加できる運動を、みんなの知恵を集めてつくりましょう。

(「学習の友」春闘別冊に掲載。2007年)
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プロフィール

ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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