パンとともにバラを

----人間らしく生きるために必要なのは、「パン」に象徴される物質的な豊かさと「バラ」に象徴されるゆとりと文化。------  この生きづらい社会を少しでもよくするためにみんなで考えたい。

 

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ああ、軍艦マーチがきこえる

5月15日、安倍首相の私的諮問機関、安保法制懇が集団的自衛権について報告書提出。同日、首相は政府の「基本的方向性」を記者会見で表明した。

 この「基本的方向性」を読み解くキーワードは「守る」である。30分の演説のなかで「守る」は20回も使われた。集団的「自衛」権ということばに寄りかかって、攻めるのではなく「守る」のだということを国民に印象づけたかったのだろう。当然、「攻める」という言葉は一切出てこない。

 さらに「日本が再び戦争をする国になるといった誤解があります。しかし、そんなことは断じてあり得ない。日本国憲法が掲げる平和主義は、これからも守り抜いていきます」とまで言ってのけた。一番言われたくないことだからだ。

 「攻める」という言葉に対しては誰もが拒否反応を起こす。だから戦争を起こすときには「守る」という言葉を使うのだ。日本には実績がある。「居留民の生命を守り、中国軍閥の過酷な支配で搾取されている中国人を守れ」「日本の生命線満蒙を守れ」。日本が中国への侵略、「満州事変」を始めたときのスローガンである。「守れ」は侵略の合言葉である。古くから「攻撃は最大の防御なり」(Attack is the best form of defense.)というではないか。「攻める」は「守る」、「守る」は「攻める」なのだ。

守るも攻めるも黒鉄(くろがね)の
浮べる城ぞ頼みなる
浮べるその城日の本の
皇国(みくに)の四方(よも)を守るべし
真鉄(まがね)のその艦(ふね)日の本に
仇なす国を攻めよかし

ああ、軍艦マーチが聞こえる。

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集団的自衛権って何だ?(6)

アメリカの世界戦略は、いま

●アメリカの世界戦略の変化

オバマ政権になってアメリカの世界戦略は一定の変化を示しています。アフガン戦争やイラク戦争のように戦争によって直接介入し他国を力ずくで押さえつける。そのことをアメリカは手放したわけではありません。

しかし同時に、外交交渉、話し合いによって問題を解決するという方向も打ち出されています。この二つを使い分けるのが第一の変化です。

第二の変化は、中東地域に偏重したアメリカの重点をアジアへ移し再配置すること。これを「リバランス」(再配置)戦略といい、オバマ政権の外交政策の要石とされています。

●中国への二面作戦

中国に対する政策もまたこの世界戦略を反映して変わっています。

一つは軍事力を拡大している中国に対して日本を含む同盟国との関係を強化して軍事的に包囲・対抗していくこと。もう一つは協力関係の構築です。中国は世界第2位の経済大国。しかも、アメリカにとって中国は第一の輸入先(17%)であり、中国はアメリカにとって第一の輸出先(18%)です。単純対決路線ではいきません。

●日本への要求も変化

当然、日本に対する要求も変わりました。軍事分担を肩代わりし、普天間の辺野古移転やオスプレイを配備することは従来どおりです。同時に、日本が米中「共同」路線の障害にならないことを日本に求めています。

2013年2月、安部首相は訪米し、オバマ首相と会談しました。首相は集団的自衛権の行使の検討を始めたと伝え、記者会見で「日米同盟の深化」を強調。しかし、大統領と並んで行う記者会見はありませんでした。「集団的自衛権の行使の検討」という手みやげは、さほど旨味がなかったということでしょう。

9月に訪米したときには講演で「私のことを右翼の軍国主義者と呼びたいのなら、どうぞ呼んでくれ」と言い放ちました。そして年末の靖国神社参拝です。これに対してオバマ政権は「日本の指導者が近隣諸国との関係を悪化させるような行動を取ったことに、米国政府は失望している」という異例の声明を発表しました。

集団的自衛権の行使ももちろん求めていますが、それとともにアメリカの新しい世界戦略の障害にならないことを望んでいるのです。侵略を否定し、従軍慰安婦を正当化するようなことは、日米同盟を進めるうえで障害になるからです。

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集団的自衛権って何だ?(5)

変化するアメリカの事情


●ソ連崩壊と新ガイドライン

なぜ今、集団的自衛権の行使がとりざたされているのでしょう。

アメリカ側の事情と日本側(安部首相)の事情の両方がありますが、まず、アメリカ側の事情から。

1991年にソ連が崩壊し冷戦が終わった頃からアメリカは日本に対して集団的自衛権の行使を強く求めるようになりました。アメリカはソ連が崩壊したからといって、在日米軍基地、思いやり予算、手下となって働く自衛隊という三点セットを手放したくなかった。

96年、橋本龍太郎首相とクリントン大統領は両国が地球的規模で協力することを表明(日米安保共同宣言)します。99年には周辺事態法をつくり、周辺事態という、なんのことやら訳の分からない事態になると国会の承認もなしに自衛隊が海外に出動できるようにしました。

●憲法による歯止め

アメリカは2000年に「米日同盟--成熟したパートナーシップに向けて」(「アーミテージ報告」)を発表。

「日本が集団的自衛権を禁止していることは、同盟国の協力にとって制約となっている。この禁止事項を取り払うことで、より密接で、より効果的な安全保障協力が可能になる」と圧力をかけてきました。

●自衛隊は海外へ出たものの 

日本政府は2001年テロ対策特別措置法、2003年イラク復興支援特別措置法をつくり、自衛隊を海外に出すとろこまではこぎ着けました。自衛隊は海外に行くことはできたのですが、アメリカと一緒に戦争できるようにはならなかった。これらの法律には「対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない」という条文があるからです。

憲法が歯止めをかけ、自衛隊員の命を守りました。アメリカはいらだち、自衛隊が武力行使できるようにしろとさらに強く要求してきたのです。

●変わるアメリカの事情

これが集団的自衛権を求める根本的な力です。では、この圧力は今なお強いのでしょうか?

3.11「同時多発テロ」事件をきっかけに始まったアフガニスタン戦争は今年中に完全撤退します。イラク戦争は2011年に終わりました。

アメリカはこの二つの戦争に自衛隊を使いたかったのです。集団的自衛権の行使を求めている点で変わりはないのですが、戦争が終わった以上、かつてほどの切実さがありません。

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集団的自衛権って何だ?(4)

国連憲章の成果を台なしに


●集団安全保障に穴を開けた51条

集団安全保障に基づく国際社会の行動が戦争を防ぐ歯止めになるはずでした。しかし、この集団安全保障を台なしにする「しかけ」が国連憲章に盛り込まれました。それは憲章51条、集団的自衛権です。憲章第51条は次のように述べています。

「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には(安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間)個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない(後略)」。

第2回「自衛権誕生の秘密」で述べましたように「自衛権」容認がパリ不戦条約に穴をあけ、戦争を許してしまいました。同じく「集団的自衛権」を国連憲章に書き込むことによって、軍事同盟とその行使としての戦争は正当化されてしまいました。

●侵略の口実としての集団的自衛権

この集団的自衛権の「行使」として、旧ソ連によるチェコスロバキア侵略(1968年)、アフガニスタン侵略(1979年)、アメリカによるベトナム侵略(1965-1975年)などがなされました。 しかし、どこかから攻められたから共同でたたかったわけではありません。国連憲章第51条どおりの集団的自衛権の発動はなく、介入・侵略の口実だったのです。

「米・旧ソ連両国は、その勢力範囲内での反体制活動を排除するため武力介入を行い、その論拠としてしばしば集団的自衛権を援用した。しかし外部からの武力攻撃が発生していない以上、この武力介入を集団的自衛権で根拠づけることは不可能であり、その濫用(らんよう)である」(山本草二『国際法』有斐閣)
 

●軍事同盟こそねらい

もう一つ大事な点は、軍事同盟をつくる口実として集団的自衛権という考えが使われたということです。

日米安保条約もこの条約が集団的自衛権の行使であるとうたっています。

安保条約によってアメリカ軍の基地が押しつけられ、毎年数千億円もの「思いやり予算」を払わされています。アメリカは自国に基地を置くより安上がりです。こんなに美味しいことはありません。

さらにアメリカは、自衛隊が米軍とともに戦う正真正銘の軍事同盟にしようとしている。これが憲法の解釈を変え、集団的自衛権を「合憲」にするねらいです。

星条旗・日の丸


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集団的自衛権って何だ?(3)

国連憲章の到達点

●第二次世界大戦の惨禍と国際連合

1945年6月26日、サンフランシスコ会議において連合国50ヶ国が署名し、国際連合憲章が制定されます。同年10月24日に憲章は発効し、国際連合が成立しました。
憲章前文にあるように、人類は20世紀に二度にわたる世界大戦を経験し、「言語に絶する悲哀」を味わいました。どうしたら戦争をなくすことができるのか。世界の英知が国連憲章に結実しています。

●紛争の平和的解決と集団安全保障

憲章はまず、加盟国に紛争の平和的解決を義務づけています。これは不戦条約と一緒です。それとともに、「戦争」という言葉を使わず「武力による威嚇又は武力の行使」を禁じました。

「事変であって戦争ではない」というような言い逃れができないようにしたのです。

もう一つの特徴は武力行使を防ぎ、抑える安全保障の制度をより鮮明にしたことです。その名を集団安全保障(collective security)といいます。

集団的自衛権(right of collective self-defense)と言葉は似ていますが、中身はぜんぜん違います。昨年の8月5日、自民党の石破茂幹事長は100人の高校生に「国連憲章のど真ん中にあるのが集団的自衛権だ」と語りました。しかし、ど真ん中にあるのは集団安全保障です。

●軍事同盟を否定する集団安全保障

集団安全保障とは、「対立関係にある国家をもとりこんだ一つの集団を形成し、集団内の一国が他国に対して行う武力攻撃は集団の構成国すべての共通利益への侵害であるとして加害国に集団的な制裁行動をとることを通じて、集団構成国全体の安全を保障する方式」です(杉原高嶺ほか『現代国際法講義』)。

日米同盟や、かつての日独伊三国同盟など、軍事同盟を結んで一緒に戦争をするのが集団的自衛権。

集団安全保障は、軍事同盟を否定し、実際には対立関係があっても「一つの集団」となって紛争解決にあたり、もし武力攻撃があった場合には、一致して対処するというものです。

このような国連憲章の基本的な考え方は、それ以前よりも、戦争することを難しくさせています。

しかし、にもかかわらず、第二次世界大戦後も戦争は続きました。それはなぜか?

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(国際連合本部)


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プロフィール

ふたみ伸吾

Author:ふたみ伸吾
二見伸吾
府中町議会議員(日本共産党)
広島県労働者学習協議会 講師
広島県九条の会ネットワーク 事務局員

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